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2年前

「よし、まずは何処に行くかな」


俺は魔界から逃げ、今は人族領にある魔界と人族領を隔てる『神魔の森』にいた。


「取り敢えずまだ『ステルス』は使ったままの方がいいよな」


俺は光学迷彩をイメージして造った魔法『ステルス』を使って『神魔の森』を見張る様に・・・というか実際見張っている砦を素通りした。


念の為かなり離れた場所にきて、俺はようやく一息ついた。


「ヤッター!遂に俺は自由だー!」


俺は両手を上に掲げ、叫んだ。


「・・・けど、ここで漸く第1段階・・・次は安住の地を探し出し、楽しく稼げる方法を探そう。あ、後はこっちの人族の常識を知っておかないと事件に巻き込まれるな・・・」


俺はそこまで考えていると、

クゥゥゥ〜

と腹が鳴った。この体になってから腹の音も可愛くなったんだよな。前世(男の頃)獣の鳴き声ほどだったのに。


「えーっと何処かに広い場所は・・・っと」


俺は馬鹿なことを考えながらも、魔力を周囲に放つ探索魔法『ソナー』を使い、開けた場所を探した。


「お?あっちの方にいい感じの場所があるな」


俺は『ソナー』で見つけた場所に向かって歩き始めた。・・・流石に『アクセル』は解いたよ。こんな森の中じゃ木々にぶつかるし。



「おおー!とっても綺麗じゃないか!」


そこは澄んだ湖でその水面に夜天の星々が鏡の様に映り込み、幻想的な風景を生み出していた。


「さーて、ご飯ご飯!」


俺は『アイテムボックス』にこの日の為に溜め込んできた食料を取り出した。


「あ、その前に手洗い手洗いっと・・・」


俺はそう呟きながら湖の近くまで行き、水面に映った自分の姿を見て問題を思い出した。


「・・・この角どうしよう」


そう、俺の頭には魔族の証である角が生えているのだ。切り落とせばいいと思うだろうが、この角は魔族にとって生きていく為にはとてつもなく重要な器官なのだ。


「まぁ俺の角は幸い小さいし、髪型を工夫すれば隠せるかな?」


俺は『アイテムボックス』からゴム紐を取り出して、角を隠す様に髪を結んだ。


「うん!これはいい出来だ!」


俺がやった髪型は三つ編みにした髪で角を隠す様にカチューシャの様にしたものだ。空飛ぶ城でデスゲームしてた閃光さんと似た感じの髪型だ。


「しかし角を隠しただけじゃ気づかれそうだな」


という事で俺は髪の色を変える為の魔法を造り、それを今身につけていたネックレスに付与した。


「これで出来たな!」


俺は自慢げに頷きながら真贋のスキルをを魔道具となったネックレスに向けて使用した。


名前: 髪替えの首飾り

効果:装備者の髪の色を任意の色に変える。消費MPは毎分1。


「よし!成功したな!」


俺は早速首飾りを付け、銀糸の様な髪を艶やかな黒髪に変えた。やっぱり日本人だった俺は黒髪が落ち着く。


「……瞳の色はいいかな?」


俺はそう呟き、紅い瞳をそのままにすることにした。


クゥゥゥ〜

「そうだ、ご飯ご飯」


俺はここに来た目的を思い出して『アイテムボックス』からパンを取り出した。


「いっただっきまーす!」


俺はもぐもぐとパンを食べ始めた。一気に食いたいが、まだこの体は10歳程度、とても口が小さいのだ。


しかし、俺は10歳にしてかなりの魔力があるらしく、次期魔王にされることになっていたのを逃走経路の情報収集の時に知って慌てたなぁ〜と思いながら食っていると遂に食べ終わった。


「うー、満足満足」


俺は少しだけ膨れたお腹をポンポンとさすりながら脳内に広げた地図を思い返して、ここから一番近い村、ハーム村へと名乗る時の偽名を考えながら向かった。

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