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かしらー中っ!~新人自衛官物語~ 第1状況

自衛隊に入隊すると前期教育、後期教育と合わせて6ヶ月間の厳しい教育を受けることになります。特に厳しい前期教育を舞台とした物語です。


なお時代背景は90~2000年代前半を舞台にしており、防衛庁、一般2士などの旧名称。旧制度で書かれています。また、地名、部隊名等は架空の物を使用しています。


現実の自衛隊の教育とはかなりの確率で異なる部分がございます。




           かしら~中っ!新人自衛官物語 第1状況 

        

             ~地連のオヤジに出会った日~



1996年6月28日。神奈川県太和市薄木基地。ここで、航空ショー「ウィングス97」が開かれていた。アメリカ軍のF14トムキャットを初めとするジェット機がデモフライトを行い。さらに地上では米陸海空軍及び陸海空自衛隊自慢の装備が展示されている。それらを見ながら歩く高校生2人。1人は鈴本信、もう1人も名字は鈴本で名前は浩之と言った。2人とも高校2年生。1年の頃から共通の趣味で意気投合。その趣味とはミリタリー関係で、2人とも高校ではミリタリーバカ2人組と呼ばれ、学校にエアガンを持ち込み、校内でサバイバルゲームに嵩じるなど少し問題のある2人組でもあった。「イントルーダー好きだな、無骨なフォルムが良い。」信が言うと「あっちのP3Cも良いよ、何せ海上自衛隊機だから」そんな会話をしながら、そのP3Cに近づく。P3Cの前に「神奈川地方連絡部相模野募集事務所」と書かれた旗が立っているテントがある。制服の自衛官がテントの中にいて、テーブルには各種パンフレットや自衛隊の活動を載せた写真パネルなどが置いてある。自衛隊の広報スペースのようだ。「お兄さんたち2人、高校生?アンケート、アンケート書いていってよ。記念品上げるからさ。」声をかけたのは30代のグリーンの制服を着た自衛官。「どうする?」信が浩之の顔を見て言う「まあ、アンケートだし、記念品貰えるし、書くか」浩之がそう言うとパイプ椅子に座らせれアンケートを書いた。アンケートには自衛隊に興味はあるか?や体験搭乗や基地見学がしたいか?などが書かれている。最後の項目に自衛隊に入隊したいか?という項目があった。2人は迷わず希望と書いた。それを見た自衛官がニヤリと不敵な笑みを浮かべた気がした。そして最後に住所、電話番号などを書いてアンケートは終了。2人は記念品の先端に戦車の模型がついたボールペンとシールを貰い立ち去った。このアンケートが2人の人生に大きく関わって来ることにまだ気付いては居なかった・・・・。



時は代わり1998年5月。鈴本信は高校3年生になっていた。学校ではそろそろ自分の進路を決める次期だった。神奈川県座門市、信の自宅。ぴ~んぽ~ん。呼び鈴が押された。「はい、今開けます。」信はドアを開ける。そこには茶封筒を抱えたスーツを着た男。よく見ると去年薄木基地でアンケートを書かせた自衛官だった。「防衛庁、自衛隊神奈川地方連絡部相模野募集事務所の大川と申します。薄木で会ったの覚えていますか?」そういい、大川は名刺を差し出した。名刺を受け取る信。薄木基地で出会った大川と名乗った男。それは自衛隊の広報官だったのだ。「入隊願書持ってきました。信くんが受験出来るのは新隊員、曹候補士、一般曹候補学生だね。」信くんと親しく呼ぶ大川。さらに続ける。「それぞれ受けたい項目の受験票、もちろん全部でもいいよ、書いたらこの番号に電話してね。」受験票と説明パンフレットを置くと大川は帰っていった。信は浩之に電話をした。


「はい、鈴本です・・・・なんだ信か、どうした?」浩之が受話器にむけて話す「自衛隊の人、来なかったか?」信は浩之に言った。「うん、さっき福知山と言う人が受験票持ってきたよ。そっちにも行ったの?」浩之が言う「ああ、此方は違う人だが。で、どうする?」信が続ける。「3つとも受験するよ、俺は、海上自衛隊を。」浩之の答えに信はどうしようか迷った。たしかにミリタリーは好きだ。自衛隊に入ってみたいという気持ちはたしかに有る。でも趣味と仕事を一緒にしていいものか・・・・。結論がでるまでもう暫くかかりそうだった。


                第1状況 完



 第2状況 「入隊試験」に続きます



第2状況に続きます。

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