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悪落ち更正所

元は正義の味方であった俺だが、とある事情で悪落ち。

それで仲間だった奴等とやり合っていたのだが、敗北して捕まりとある更正所に叩き込まれた。

その名も『悪落ち更正所』、悪落ちしてしまった奴等が更正する施設らしいが、俺は絶対に更正なんてしない。

教室に入ると俺の他に20名程の如何にも悪落ちしたような奴等が席に座らさせれていた。

悪落ちしたクセにカッコ悪い・・・あっ、俺もか。

「はい、お前ら私が教官のバイアグラ好美だ。貴様らには早々に更正してもらい、正義の為に働いてもらう。」

バイアグラ好美という警察官の様な格好の女が教室に入ってくるなり、俺達を蔑んだ目で見てきた。

「はい、じゃあまずは一人ずつ悪落ちした理由を発表してもらう。じゃあ入ってきた順に発表しろ。」

バカな女だ、悪落ちした様な輩が大人しく従うわけが無い・・・。

「じゃあ拙者からか。」

従うんかい!!悪落ちしてるクセに真面目か!!

その男は眼帯をした侍の様な格好をしていた。

「拙者は力を欲した。その結果で魔剣を手にして身も心も邪悪に・・・。」

「はい、じゃあ魔剣よこせ。」

「えっ?」

「いいから、ほらっ!!」

「あっ!!」

好美は強引に侍から魔剣を奪い去ると、恐ろしいことに「えいっ!!」という掛け声と共に魔剣を鞘ごとへし折った。

「はい、魔剣ザコー。」

そのまま好美はゴミ箱に魔剣を棄てた。

好美の力に戦慄する俺達だったが、魔剣は燃えるゴミなのだろうか?

「はいっ、次はそこの魔法少女。」

魔法少女は一見可愛らしいナリをしていたが、ヒラヒラのドレスは漆黒に染まり、目は死んだ魚のようになっている。

まさに悪落ち、好美を倒してくれそうな気すらする。

「私は人類のために戦ったわ、でも人間は醜い争いを止めないし、環境破壊だってする・・・だから滅ぶべきなのよ!!」

「うるせぇ!!」

好美は悪落ち魔法少女を一喝。あまりの迫力でクラスがシーンと静まり返る。

「そんなことは世界救ってから考えろや。」

「えっ、でも・・・。」

「うるせぇ!!顔面殴るぞ!!」

「ひいっ!!」

怯える悪落ち魔法少女。悪落ちしてても怖いもんは怖いよな。

「いいかお前ら、私は女子供であろうが平気でボコボコにするからな。じゃあ次。」

好美の怖過ぎる発言の後、各々の悪落ちした理由を言っては好美から浴びせられる罵声。

そうこうしている内に俺の番になった。

「俺は正義に嫌気が差して・・・。」

「嘘つくな三下。正直に話せ。」

「・・・好きな子にフラれたから。」

「ギャハハハハハ!!一番ダセー!!」

く、くそっ!!好美めぇ!!クラスの悪落ち仲間まで俺を笑いやがる。

「ハハッ・・・ふぅ、でまぁ、お前たちの悪落ちした理由を聞いたわけだが、実は誰だってそういう時期があるんだ。実は私にもお前達みたいな時があった。」

今が悪落ちしてるんじゃないのか?好美が悪落ちってヤバいだろ。

「高校の時に親に反抗してなぁ・・・家出して三ヶ月友達の家を渡り歩いたんだ。」

それはただグレてただけぇ!!って言いたいけど殴られるから言えねぇ。

「でもないつまでもピンボールのハイスコア競い合ってる場合じゃ無いんだよ!!悪の組織が居て地球がピンチ!!お前らは早く正義に戻って戦え!!分かったら今から配るヘルメットを黙って被れ!!」

俺達は好美から殴られたくないので渋々ヘルメットを被った。

「はい、皆被ったな。じゃあスイッチオン!!」

「ギャアアアア!!」

全員のヘルメットから電流が流れ、教室にこだまする悪落ち達の悲鳴。それは正に地獄絵図だった。



~三時間後~

「はい、洗脳・・・じゃなくて教育完了だ。お前達、悪を見つけたらどうする?」

「ぶっ殺す!!」

「正義は好きか!?」

「大しゅきです!!」

「じゃあ、さっさと悪を倒して世界を平和にして来い!!」

「イエッサー!!」

こうして僕らは無事に正義の道に戻ることが出来た。

あぁ栄光の悪落ち更正所。

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