潔癖症な幼馴染と私
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短編です。
かなり短いです。
固定キーワードはほぼ詐欺です。
というか詐欺です。
キーワードは合ってます。
つまんなかったらすみません。
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私の名前は青空 翠。どこにでもいる様な、ただただ平凡な女。
そんなただの女の私には勿体無い程の、潔癖症でイケメンな幼馴染がいる。名前は、塔藤 総雷。学校ではかなり人気者で、多くの人は彼のことを親しみを持って「そーい」と呼ぶ。私はというと、「雷くん」と呼んでいる。彼がそう呼んで欲しい、と言ったからだ。だから私はそう呼んでいる。
別に雷くんのことが好き、というわけでもないし、それに彼には意中の相手がいるとの噂だ。大方彼も(・)転校してきた美少女、星彗 瑠良のことでも好きになったのだろう。現に、生徒会の奴らがそうだ。
あ、言い忘れていたけど私、高校2年生なんだ。それで部活は、ゲーム同好会というか・な・りマニアックな部活に所属していて、委員会には所属していない。
因みに雷くんは生意気に生徒会長をやっていて、本当に私には勿体無い幼馴染の完成だ。まあ、彼に恋人ができたら幼馴染(私)なんて忘れるだろう。別に家が近い訳でもないしね。
ところで、そんな潔癖症なイケメン幼馴染のせいで呼び出しをくらってる私って悪いのかな?…悪くないよね?寧ろ何もしてないよね??
このひとたちが悪いんだよね?
「青空さん!きいてるの?」
「え、あ、きいてたよ。で、なに?」
やっべー、普通に聴いてなかった。
てか、聴く必要あんのかな、これ?
「何ってあなた…やっぱり聴いてなかったのね!
あなた、会長様の幼馴染だからって、もう高校2年なのに、そんな関係続くとでも思って?!いいえ、続くはずありませんわ!」
会長様って…………雷くんどんだけ偉くなったんだ?…あ、生徒会長だから偉いのな?生徒の頂点か?そしたら偉いひとだね、雷くん。
ヨカッタヨカッタ。
昔から偉いひとになりたいって言ってたもんねー?
「うん、そうだね。だから何?」
「か、会長様っ?!」
か、会長様っ?!……間違えた、雷くんっ?!
それにしてもなんでここにいるんだろ?雷くんには確か、先に帰ってるねーと言い残し、教室を出た後、校門から出たふりをして、体育館裏まで来たんだけど?
…これじゃあ完全なる無駄骨じゃないか。
「あのさ、あの女ならいくらやってもいいけど……………翠チャンハダメダヨ?」
「ひっ、ひぃっ!すみませんでした、会長様ぁー!!!!」
あれ?私が頭の中でブツブツ言ってたら何時の間にかそれは終わっていた。
からの重たーい沈黙。
「翠ちゃん、なんで帰ってなかったの」
語尾にハテナがついていないですよー、とっても不思議ですよー?
「えーと、朝学校に来たら下駄箱に手紙が入っててね。で、内容はこのことだけど?」
暗に[雷くんには関係ねーよ]
と言ってるわけである。だいたい、私の下駄箱に入ってたんだから私のでしょ?
「ふぅーん。まあいいや。一緒に帰ろう?」
「……は?雷くん引っ越して私の家とは真逆じゃん。
………じゃーね、蒼くん。また明日ー」
私はそう言い残し、今回は本当に家に向かって歩き出した。
……体育館裏にまだ居座っていた雷くんがこう言っていた事にも気付かずに。
「翠…君はキレイな、キレイなままだ。あの女とは比べ物にならないくらいに…
あぁ、毎日が苦痛だ。……だが、翠が[凄い]や[かっこいい]、[偉い]と言ったことをする度に僕は幸福感に包まれる…………。
嗚呼翠、アイシテルヨ」
塔藤総雷は潔癖症で、綺麗なモノを好むヤンデレであった。
*
それから一週間後。雷くん率いる生徒会の皆さんは、星彗さんを構い倒し、挙げ句の果てにハーレム状態に仕立てあげたのだった。
星彗さん良かったねー。
そして当然の如く、雷くんは私の元から離れていった。
あー、良かった。私もね、あんな幼馴染、荷が重かったんだよね~。これで私は呼び出されない!!!
いやー、良かった良かった!!!
「ねえ、本当に良かったの、翠?」
「は?何が?」
「だからー!会長のことだって!良かったの?」
「あー、どうでもいいしね。だって呼び出されないじゃん?良さすぎるよ」
「あっそう!どうなっても知らないからね!」
ありゃ?私は何か彼女を怒らせることでも言ってしまったのかなー?…そんなつもりはなかったんだけど………あとで謝っておこう……。
(ガラガラガラガラッッッ!!)
「みーちゃんっ!」
まじか……何故彼がここに……あ、何時ものことか。てか、暇さえあれば私の所に来ているよね……。
……私のことを[みーちゃん]と呼ぶのはただ1人。雷くんとは別の幼馴染、赤桐 唯透くんだ。
彼もまた、雷くんに負けず劣らずにイケメンだ。私の幼馴染は何故か美形だ。…なんでだ?私は平凡なのに………。
おっと、話がズレた。
唯透くんは、いわゆる可愛い系で男女問わずに人気がある、天使だった。そう、天使なのである。この天使は誰にでも優しく、そして先生方にも人気があり、その容姿に似合わず優等生であった。
容姿は…、ハニーブラウンの天然パーマの短めの髪に、琥珀色の眼をしている。本物の天使だ…!天使がここにいる…!
あ、因みに雷くんの容姿は、漆黒の少し長めの髪に、血のような紅色の眼をしていて、一見怖い印象を与えるが、本当は気さくで人気者で、成績優秀、その上運動神経も良しで、更にとても優しい人間なのだ。
こんな天才すぎる幼馴染には1つ欠点がある。………それは[潔癖症]であること。そのため、何をするにも、どこぞの執事がする白い手袋をし、常に何枚もハンカチを常備している、モノホンの潔癖症であった。しかも、女子に人気があるにも関わらず、付き合ったりはしない。
雷くんになんで恋人をつくらないの?ときいたときに……
「翠ちゃん、なんでそんなこときいたの?僕に興味持ってくれたの?」
「え…………あぁ、うん!だから教えて」
「恋人のことでしょ?女は汚れてるから付き合いたくないね。男も汚れてるけど。一応は、上辺としてでも[友達]は必要でしょ?」
「あっ…(察し)……あぁ、うん。ありがとう雷くん」
「ううん!翠ちゃんのためなら何でも応えるよ。じゃあ、また放課後にね!」
この会話にも色々おかしな点はあったが、とりあえず確信した。
…………彼は[潔癖症]だと。そして理解した。
だから、恋人をつくらないのだと。
*
「……み……ん!………みーちゃん?おーいみーちゃーん!」
「わ……っ!あれ?唯透くん?」
「俺が最初呼びかけたときから反応がなかったからさ~ビックリしちゃった!!!」
「ごめんね、唯透くん。ぼーっとしてて。それで、何かな?私に用事でも?」
「ううん~♪特に何もないよ♪ただ、最近塔藤クンがみーちゃんのところに居ないってことをきいてね~?」
唯透くんは琥珀色の眼をキラキラさせながら私に言ってくれた。
ふーん。まあ確かに雷くんは私のところにはいないね。だって例の美少女、星彗ちゃんのとこにいるもんねー?
……あ、星彗ちゃんで思い出した!
「唯透くんは、星彗ちゃんのこと、どう思う?」
「どうって~?好いてるってこと~?それとも~嫌いってこと~?」
(((………ゴクリッ)))
今、クラスメートのみんなが唾を飲み込んだ。そりゃあそうだもんね。唯透くんの一言で、みんなのアイドル☆美少女・星彗瑠良の運命が決まるもんね。
だって、唯透くんはかの有名な赤桐グループの社長の息子。つまり、逆らえないほどのいいとこのお坊ちゃんだ。
「俺は(みーちゃんに危害を加えなければ)別に何とも思わないかなっ♪ついでに(何もしなければ)どうでもいいよ♪ところでなんでみーちゃんはなんでこんなことを俺にきいたのっ?」
(((……ハァ)))
その言葉をきき、クラスメートたちは安堵の溜め息をついた。ヨカッタネ。
しかし、私にはそれをきいたせいで飛び火が舞い込んでしまった。ついてないなぁ、私。
「いいや?特に意味はないよー?
それより唯透くん、最近学校楽しい?」
「うん♪(あのクソ男がいないおかげで)とっても楽しいよっ♪」
「へ、へえ………あ、ほらチャイムだよ?今日に戻ったら?」
「うん!みーちゃんじゃあね~♪♪」
…………相変わらず風のような奴だったなぁ………それにかなりめんどいし…………てかなんで私こんな目にあってるんだろ……………。
…………くそ!きっと幼馴染が美形のせいだッ!
*
「翠ー?いるんでしょー?一緒に帰らないー?」
出たなお邪魔虫(雷くん)ッ!
因みにもう、放課後である。それにしても……相変わらず暇なんだね、うん。
「……何?また言ってるの?家が真逆だって言ったよね?」
「…そうだね?でも、今日は僕の家に来てもらうよ」
「……はっ?!何言ってるの?私が雷くんの家に…?!」
変な誤解が生まれて困るの私じゃん!
ていうか、なんで私が雷くんの家に行かなきゃならないわけ?!
……いやでも…新しい家も気になるような……ハッ!
「…おばさんはいるの?」
「勿論。いるに決まってるでしょ」
「…ならいいよ」
「わかった。ありがとう翠ちゃん!早速帰ろう!」
「う、うん」
このとき、雷くんの言葉を信じてなかったら……私の運命は変わっていたのかなぁ……。
だって…蒼くんのおばさんは…………私の弟を守って(・・・・・・・)……亡くなっていたのに(・・・・・・・・・)…それを忘れていたなんて…………。
*
「ねえ雷くん?まだ着かないの?」
だいぶ暗くなってきたんだけど……。本当にまだ着かないの?
「…」
「ら、雷くん?」
「ふふ、もう着いたよ」
「…そ、そう」
う、うわぁ…めっちゃビックリした…雷くんが急に黙るからさ…
(ガチャッ)
「はい、どうぞ」
「お邪魔しまーす」
「どうぞ~」
(ガチャッ…ガチャンッ)
*
「へー。また、広いんだ~」
「うん、父さんが毎回広いのにしてるからね……」
「あっ、そういえばおばさんは?」
「……いないよ」
「…………えっ?」
「だから……いないって。翠ちゃんの弟くんを守って……死んだんだよ?」
でも、母さんがいないおかげで、翠ちゃんを……。とか何とか言ってたのを私は聞き逃していた。
「……私、忘れていた……なんでこんな大事なことを………?」
「ふふっ、気にすることはないよ?次は、僕の部屋」
「…………私、用事オモイダシタワーカエルネーバイバイライクンー」
あ、やば……完全に片言になってしまった……。
「……かえすわけないじゃん……」
(ガシッ)
「な、何……?」
「…やっとつかまえた…………さあいこう」
「…い、いや!何よ!」
(パシッ)
「……みどり?」
なんで、なんで……?なんでそんなに泣きそうな顔(表情)をするの……?
「…あぁ、そうか。自由にさせすぎたんだね……。父さんが引っ越しをしたい、と言ったからしょうがなくしたけど……どうやらしない方が、良かったみたいだね」
「え……?」
ど、どういうこと?今さっき、悲しそうな顔をしていたのに………なんで、そんなに………嗤えるの…?
「ふふ、安心して、翠?僕はもう、離さないから」
「は……?」
「さあ、早く行こう」
「…!……だからっ、嫌なんだってば!」
今の雷くんは危ない……!今、雷くんの部屋なんかに行ったら…確実に、殺られる………!!!!!
「……反抗するの?なら…」
(シャキッ)
「へ…?」
「殺シテアゲル」
「ひっ…!」
雷くんがポケットから取り出したのは…ナイフ(・・・)ッ?!ちょ、なんでそんな危険なモノを持っているんだ?!
「じゃあね、翠」
(グサッ……!)
「………!」
胸に刺さったナイフ……あぁ、私、死ぬのか…。短い人生だったな……。
そして思い出すのは、雷くんとの出逢い。
*
「ねえ、とうどうくん、わたしたちとあそばない?」
独りぼっちだった雷くんに私が話しかける。
「え…?い、いいの?」
「うん!わたしは、あおぞらみどり!で、このこはあかぎりゆいとくん!
きみのことはなんてよべばいいかな!」
私は、困惑する雷くんへ、まくし立てるように話しかける。だって、そうしないとどこかに消えてしまいそうな感じだったから。
因みに私と雷くんの出逢いは、幼稚園の年少さん。たまたま同じ、バラ組になった雷くんに話しかけてみたのがきっかけ。
「みどりちゃんと…きみはなんてよべば?」
「おれは、おまえとなかよくしない。だが、なまえな。おれのことは、あかぎりでいいぞ」
唯透くんは偉そうにそう言い、雷くんはまたまた困惑気味な顔をしている。
「ちょっと、ゆいとくん!」
「なぁーに、みーちゃん」
「なかよくしないなんていわないの!みんななかよく、だよ!」
………こ、この時の私は甘かったのだ。全てに対して、ね。
け、決して今は違うからねっ?!
「……みーちゃんがいうなら。でも、こいつはきらい」
「はぁ……ごめんね、とうどうくん」
「う、ううん。あとぼくのことは、らいでいいよ」
「…わかった!よろしくね、らいくん!」
「………」
「ほら、ゆいとくんも!」
「………………よろしく」
こうして私たち3人は仲良くなった。
雷くんとは13年、唯透くんとは約3年、一緒にいた。
だから、長年一緒にいた、何でも知っているはず(・・)の雷くんにまさか、殺されるなんて…。
結構信用、していたのになぁ。
*
そして、今に至る。
「翠、愛シテルヨ」
…愛してる、なんていうなら殺すなよ…っ!
「あぁ、綺麗だ。血も、涙も、全て…」
これを[綺麗]だって?!頭おかしいんじゃないの?!
「……ゆ、る……さな…い……!!」
「[許さない]?もう…死んじゃうのにね……クスクスクス…っ」
くそ……っ!!
それでも意識は…薄れていってしまう。あぁ、本当に私は…終わりなのか……?
ばいばい、お母さん、お父さん、弟よ……。あと、唯透くんも……。
……雷くんは、許さないわ……っ!
(ガクッ)
「やっと……手に入れた…っ」
僕ハヤット翠ヲ手ニ入レタ…ッ。大事ニ大事ニシテアゲル………。喋ラナイノハ……ソノ、綺麗ナ声ガキケナイノハ…残念ダケド………。
デモ、アイシテルノハカワラナイ。
イツマデモ、イツマデモアイシテルヨ、ミドリ…………。
読んでいただき、ありがとうございました。




