5.27 勤行指導
この三日間新聞がたまっている。
今晩行きますとメールしても返事が来ない。
夕方やっと返事が来た。
「よろしくお願いします」
とのこと。ちゃんと覚えてくれていたみたいだ。よかった!
じゃあ新聞は?疑ってはいけないとにかく信じよう。
K君にメールして二人で座布団を抱えて出発。
生協でいつものように弁当を買う。
ちょうど7時半新聞がないのを確認しドアを開ける。
久しぶりのあの笑顔。元気そうだ、ずっとバイトだったみたい。
2階ですぐさま勤行を始める。はじめはゆっくりとちゃんとついてくる。
徐々に早くした。普通に彼はついてくる。感心する。
「いつもは声に出しませんがご観念文を確認します」
「お題目は普通どのくらいあげるんですか?」
「子供が死にかけてる時は夜通し上げる、必死の時は皆そうだ」
「ふつうは?」
「私は今一日最低2時間」
「私は1時間です」Kくん。
「ふつうは朝30分夕30分かな」
「わかりました」
ほんとに物わかりのいい子だ。本題に入る。
「とにかく明日の青年部大会を見て一報入れてください」
「はい」
「出演メンバーは3か月前から仕事の合間を見つけて練習に入ります」
「そうなんですか」
「みなごくごく普通の青年です。各人色んな悩みや問題を抱えています。それを一緒に
ぶつけてお題目をあげ通し必ず何らかの結果を出して本番に臨むんです。みな必死ですよ」
「そうなんですか」
「そうなんです。一人一人に思いをはせてしっかりと観てください」
「わかりました」
「これからずっと平日はバイトで残業も多いようですね。次はまた土曜日ということで」
「そうです。よろしくお願いします」
とにかくよかった。気長に寄り添う忍耐の戦い。それは今始まったばかりだ。