5.14 初勤行
今日は母の日だ。何もできんですまんなと昨晩言いはしたがやはり99%期待しているのはよくわかる。
花屋で物色する。さすがに多くの人が包装に列をなしている。
450円のミニカーネーションを見つけた。できるだけつぼみの多いのを選んで列に並ぶ。
皆たいそうな包装をしている。これではだいぶ時間がかかりそうだ。
包装は二人で手際よくこなしてはいるが・・・。
ちょっと空いた隙に、
「これ包装なしでいいんですが」
と声をかけると前の人もうなずいてくれてすぐに手にすることができた。
POP紙の『おかあさんいつもありがとう!』を選び”おさむ&きんご”と裏書きして花の間に挟む。
われとしてはなかなかの出来だ、必ず妻は喜んでくれるはずだ。
玄関の植え込みの牛乳箱の上に置いておく。
「おーい、きんご。花買ってきたぞ。ここ置いとくしな」
そう息子に声をかけて家に入った。
後日談、母は感動して涙が出たそうだ。そんなもんか女心は、今だにようわからん。
今日は仁君が家に来る。カレーライスで妻も息子もそのことを昨日告げると、
「親父今頑張ってるから協力する」とのことでこれもめったにないこと。
本部長にも伝えてある今日はカレーライス!
5時きっかり、気になるので早めに廊下で覗いていたら本人が現れた。
「やっ、どうぞ中へ入って」
息子にも声をかけ、紹介しすぐに食事になった。
話をしながら私だけがゆっくりとカレーライスを食べている。
妻は礼儀正しい彼が気に入ったのか自分の作品までも持ってきた。
「私も糸鋸切ってたのよ」
と言いながら一つ一つ見せびらかしている。
息子は早々と食べ終わるとさっさと部屋へひきこもる。
私がやっと食べ終わりあとかたずけが始まると私は切り出した、
「とにかく学会がどういうものかはこの”新会員のために”のこの部分を読むとよくわかる。
要は東洋仏法の真髄、法華経の実践団体だということ。わずか数十年で世界中に急速に広がって
いるという現実。それは皆実践してよかったという実感があるからだ云々・・・」
そこに本部長が登場し1時間本人の体験を交えながら信心してほんとによかったとの実感を語りに語った。で、とにかく皆で学んでいくことが決まった。
「それでは早速勤行とやらをやって見ましょう」
そう言うと本部長はさっさと仏間に入り、
「今はわずか十分で済みますが昔は長行いうて大変だったんですよ」
と言いながら数珠を手にかける。私はすぐさま彼用の数珠を手渡す。
「こっちが右手の中指でこうひねって、人間の体と一緒ですわ」
経本を開く、
「ゆっくりやりますから、これさえできればどの国行っても大丈夫」
ほんとにそうだ!と思いつつ私はリンをたたく。
「妙法蓮華経方便品第二」
大きい経本を指さしながら本部長はゆっくりと誦じ始めた。私もそれに和する。
彼はちゃんとついてくる。少し早くなるが大丈夫そうだな。
そして20分の勤行は終わった。
「では明日から毎日!」
そう言って本部長は笑顔で去って行った。