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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

閑話 シナの朝鮮族の状勢

作者: 夷子

朝鮮族の間では現在も過去も悪い事は何故か全て日本の所為になっているんだよなぁ。


北京軍閥の傘下に入った朝鮮族は遼寧省での自らの行状を日本の所為にしようとして色々な声明を出している。

「日本が支援してくれればシナには攻め入らなかった」とか「日本が支援してくれれば拠点をソウルから瀋陽へ移す事はなく略奪も起きなかった」とか「日本が満州を支援しなければ戦争は起こらず虐殺も起きなかった」とか「日本が──」「日本が──」と繰り返している。


全て仮定の話なので嘘を付いている訳でもないのか?

「シナへの侵攻を支援しろと言っていたのは誰?」「拠点を移す事と日本の支援に何の関係が?それに拠点を移す前から略奪はしていたぞ?」「戦争は半島からの遼寧省侵攻で始まっているが?日本の満州支援はその後だから時系列もおかしいぞ」と突っ込みどころ満載だけどな。


「日本が支援してくれれば満州の様に強くなって今頃はシナの覇権を握って略奪も虐殺もし放題だったのに」が朝鮮族の本音だろう。

「我等がこうなったのは日本人が支援せずに足を引っ張っているからだ」が朝鮮族の認識だ。


何故か日本人からの支援はあるのが当然のごとく全てが語られていて支援しない事が足を引っ張る事の様に語られている。

日本人には選択の権利は無いのか?

彼等の常識では朝鮮族が上位者で日本人は下位者なので日本人に選択の権利はないのだ。

下位者は上位者への反論は許されず、して良いのは言い訳とかの言い逃れの類だ。

それで彼らは上位にある北京軍閥に懸命に言い訳をしているのだ。

下位者の日本人が悪いからこうなったと言って責任を押し付けようと懸命なのだ。

社長に向かって一所懸命になって部下に失敗の全責任を押し付けようとしている上司みたいな構図だな。

日本人にしてみれば日本人は朝鮮族の部下でも何でもないのでどう考えても責任はなにも無いんだが。


漢族と朝鮮族は華夷秩序の下で日本人が従わないのが問題だとしているが日本人は華夷秩序なんて認めていないから従わせようとする方が問題だと捉えているので話が合う事は無い。








その頃の多くの日本人は高麗半島から朝鮮族がほぼいなくなり気分が軽くなっていて済州島だけならと軽く考えていた。

済州島は元々は半島とは独立した別の国であったが半島勢力の支配下に置かれて李氏時代は流刑地とされていて長きにわたって下に見られていた。

だが高麗半島は既に満州の勢力圏でそこには元の住民は殆どいない。

済州島を下に見て偉そうに振舞っていた奴等は負けて逃げてきた後ろ盾も無い唯の難民だ。

難民の後ろ盾だった政府は満州との戦闘に敗れて瓦解して国民の殆どは北京軍閥の傘下に入りシナの朝鮮族となった。

その様な中で済州島はいまだ健在で自治を保っていた。


日本は朝鮮族の難民の受け入れ先として必要としていたため、瀋陽にあった政府が瓦解した後は済州島の自治体を後継として正統性を認めていた。

満州は都合が良いので日本に同調して済州島の自治体を後継として正統性を認めて講和交渉に入った。

そうなると済州島の住民とその自治体が上で半島から来た難民は下との関係となる。

済州島の住民と半島から逃れてきた人々との地位が完全に逆転するのだ。

こうなった時に彼らがどう振舞うかと言うと何故かあたかも自分達が戦争に勝った側の人間かの様に振舞うのだ。

負けた側なのは半島から逃げてきたその前日まで同族として遇していた人々である。

そして満州を後ろ盾に着けたかのように振舞う自称戦勝側の済州島の住民は敗戦側の難民から収奪の限りを尽くした。

これは朝鮮族が遼寧省で散々行ってきたことで彼等は下の者から収奪するのは上位者の権利だと思っていて躊躇する事は無い。

それに加えてその収奪行為を自分達が満州側であることを証明するものだと済州島の住民は考えていた。

この為、隠すどころか目立つように収奪行為を繰り返すのだ。

満州政府は済州島政府がへこへこして満州側に阿る様になり講和には都合が良いので交渉の間は好きに思わせてその振る舞いを咎める事は無かった。

日本政府は眉を潜ませたが虐殺には至っていないので満州と済州島の講和が成立するまではと黙殺していた。


シナの朝鮮族が北京軍閥を後ろ盾に自分達が正統であることを主張していたが主権を喪失したシナの一民族が犬の様にギャンギャン吠えても誰も耳を貸さない。

北京軍閥は朝鮮族を支配下に置いた事で高麗半島も済州島も自らの領土だと主張していたがこれも誰も聞いてないな。

シナの華夷秩序の下では正しい見解なんだろうが一度も主権下に置いたことの無い領域を領土と主張されても困るよな。




で満州との講和後に済州島がどうなったかと言うと日本が送還する朝鮮族の難民を拒否する様になった。

日本政府は同民族なのだから難民からの行き過ぎた収奪は止めれないかと意見しただけなのだが済州島政府は主権侵害だとか反発してきた。

済州島政府は支援を要請していたが日本政府としては支援するにも世論が許さないから収奪を止めて貰わないと困るのだ。

あまり収奪が酷いと海に逃げて日本に向かう者も出るだろうし。

結局、済州島政府は満州政府を後ろ盾にしたつもりでいるからか日本政府には強気で、日本側が何を言っても行状を改めようとはしなかった。

済州島政府は満州政府に自らが日本側では無く満州側であることをアピールした気でいるのだ。

俺は満州君の親友だから格下の日本なんかの言うことは聴かないぞって感じかな。

日本政府にも満州政府にもそんな事はどうでも良い事なんだけどさ。


それで日本政府は早々に匙を投げて済州島政府を相手にしない事にした。

「やっぱり奴等は奴等だ」と「なるべく関わらない方が良い」と日本人は再認識する事となり済州島への支援の話は立ち消えとなった。

そういった経緯で日本政府は満州政府経由で朝鮮族の難民を済州島に送り込む様になった。

日本では法的には既にシナの朝鮮族はシナ人の扱いだからこれで問題はない。

済州島政府がないとこれも出来なくなるからないよりはましなのだ。


日本政府が何も言わなくなると済州島政府は日本政府が弱気になったと勘違いして「日本は我々を支援する義務が有る」とか「日本に我々を支援する栄誉を与える」とか五月蠅くなった。

満州政府が後ろについていると勘違いしているから上から目線の強気のままだ。

飼い主が後ろにいると強気になって吠えてくる犬みたいな感じだ。

日本政府が相手にせずに無視していると益々調子に乗って満州政府へのアピールの為に日本に対して居丈高になっていく。

満州政府が相手にしないでいると承認されたと勝手に勘違いして益々調子に乗って……

……なんて面倒臭い奴等だ!

かと言って下手に反応すると効果が有ったと勘違いして益々おかしくなるのだ!








日本政府も満州政府も真面に相手にするのは馬鹿らしいと済州島に関しては現状維持の姿勢を崩してはいない。

『済州島政府にシナ側につかれるよりはましだから』と『潰してもシナの朝鮮族がいる限り現状の方がましだから』と考えていたのだが…………


最近になって日本に入った情報によるとシナの朝鮮族に満州側の方が優位にあると考える者が増えていて派閥を形成していくつかの派閥が秘かに満州政府に接触しているらしい。

満州に事大して朝鮮族の主導権をとりあわよくばシナの覇権をとか考えているのだ。

その一部が満州政府にはシナの覇権を掴むための手伝いをするとか言って擦り寄っていたらしい。

満州で問題になっていたのはそれに同調する者が少数ながらいて政府内で力を持ち始めた事だ。

本当に朝鮮族は碌な事をしないな!

確かに満州の現在の軍事力をもってすれば可能かもしれないが確実に日本とその他のシナの周辺国を敵に回す事になる。

それで手に入れるものはと言うと何時裏切るか分からない大勢のシナ人とシナの領域だ。

それで国力は増すのかと言うと支配下に置いたシナ人が足を引っ張って無理そうだ。

古代であれば財宝を取り上げて愚民を搾取すればそれで済んだ。

周りの国も皆同じでそれで国力が上がり支配階級は取り敢えずは安泰だった。

でも現代は違う国民が力を付けないと国力は上がらない。

魔法教育で軍事力を上げて朝鮮族を蹴散らした満州人が一番良く実感している。

満州人の大半はシナの愚民を抱え込んだら自分達が貧しくなることを分かっている。

縁戚が逃げて来るのを匿うのはともかく態々シナを支配して愚民を大勢抱え込むのは真平御免と考えるのが一般的な傾向となっている。

独立してシナと手を切ってからは着実に豊かになっているので態々貧しくなることは望んでいないのだ。

日本は満州で数名の高官が反逆罪で処刑された後に理由を探っていてこの情報を掴んだ。

もし満州が逆に動いていたら…………

本当に朝鮮族は碌な事をしないな!!!


因みに日本政府にもシナの朝鮮族から接触が有ったが日本政府は相手にせずに難民として満州経由で済州島に送る様に手配していた。

満州側に引き渡した後の事は関知していないし調べてもいない。

満州政府の公式な見解は「遼寧省は満州の領土でありシナの朝鮮族は不法占拠している」である。

日本もそれを支持していて且つシナの朝鮮族が北京軍閥に下った時点で法的にシナ人となったとしていた。

満州が不法占拠中のシナ人を如何するかは満州人の問題で日本の問題ではない。

済州島政府が受け取りを拒否しているからこれ以外の手は無かった。

日本が亡命者として匿う?

シナの朝鮮族は満州政府には事大して媚び諂っていたようだが日本政府には以前と同じ尊大な態度で交渉したらしく……これでは亡命者として匿うはないな。

満州が味方の様な口ぶりだったから満州側に引き渡しても問題はないだろう。

「満州と共にシナの覇権を掴むから支援しろ」とか「満州を従えてシナの覇権を掴むから支援しろ」とか言っていたらしいが。

満州も朝鮮族の口車に乗っていたら酷い目にあっていたと思うな。

数名の高官の処刑で済んで本当に良かった。

満州が内部分裂でも起こしていたらシナの包囲網はどうなっていただろう?








満州政府は緩衝地帯として朝鮮族の領域を残していたが疑問に思う様になった。

「無い方がましではないのか?」との意見が満州の国内では強くなっていた。

済州島政府は国から逃げ出したとしてシナの朝鮮族を国民と認めておらず満州との講和でも不法占拠者として勝手に処分して構わないと公言していた。

日本とモンゴルは表向きは満州側が遼寧省を奪還しても問題ないよとの立場だ。

裏では両国ともシナの朝鮮族の難民が来ない様に画策していた。

難民は海には逃げられないようにして陸は北京方面に押し出せと言うところだな。

モンゴルは陸続きなので遼寧省からの難民への対処に苦労している。

元からの遼寧省の住民は満州側が引き取る事で合意済みで特に大きな問題にはなっていない。

日本の支援もあるし満州にはモンゴル人の血縁者もいてそれなりに政治力も有るからな。

だけど朝鮮族は不法占拠して居座ったり満州人や日本人だと言い張ったりで処理が面倒なのだ。

満州には朝鮮族も確かにいるけど政治力は無いし、半島に出稼ぎに行った時に差別されていてお互いに嫌っている。

満州にはシナの朝鮮族の受け入れ先はない。

高麗半島は既に独立して主権は遼寧省からの難民即ち満州人にあり、朝鮮族は既に少数民族と化していた。

自分達を遼寧省から追い出した者達を受け入れる気はない。

済州島は小さな島だから物理的に無理だし正式に受け入れを拒否していた。

日本はシナの朝鮮族がシナの覇権を目指して結果として北京軍閥の傘下に入った事で元が不法移民であっても既に法的にはシナ人との立場だ。

シナの朝鮮族の支配領域は満州の領土でシナとの係争地との見解だな。

日本はシナ人の入国は認めておらず、シナの朝鮮族はシナ人だから国内に受け入れることはない。




それで満州が遼寧省の残りの奪還を始めたらどうするのか?

日本政府は支持を表明する。


だがその為には難民の対処に対して満州政府との事前の取り決めが必要だ。

シナの朝鮮族の難民は確実に発生するのだから。

シナの朝鮮族の扱いとしてはシナ人との見解で日本政府と満州政府と済州島政府は一致していた。

シナの北京軍閥の軍門に下り支配下に入ったのだから北京軍閥もこの点は一致していた。

北京軍閥はそれを根拠に高麗半島と済州島の領有を宣言しているのだから。

朝鮮族は我々の支配下に入ったから朝鮮族の支配していた高麗半島と済州島は我々のものだとの理屈だ。

済州島は元からの住民が正統に継承して国を造っているし、高麗半島は独立戦争に勝って満州と同時に済州島政府と講和していた。

シナは内戦中で北京軍閥は独立国ですらないのだから独立国がシナの一軍閥の理屈なんて考慮する必要はない。

こうして領土的な対立点はどうあれシナの周辺ではシナの朝鮮族はシナ人との見解は一致していた。


それでシナの朝鮮族はシナ人としてシナの朝鮮族の難民はどうするのか?

シナ人の難民だからと日本と満州の取り決め通りにシナの朝鮮族を満州に送るとの話にはやはりならず済州島に送る話は完全に潰えた。

日本政府と満州政府との打ち合わせの最中に済州島政府は国名を千年以上前の耽羅に戻して朝鮮族とは正式に決別してしまった。

こうして朝鮮族の国は完全に消滅してしまい、シナの朝鮮族はこれを認めない事を叫んでいたが海軍の艦艇は既に北京軍閥に接収されて何も出来ない状況だ。

日本政府が満州政府と交渉なんてせずに遼寧省からの難民も済州島へ入るに任せておけば良かったと考えても後の祭りで今さら高麗半島に服属させる事も難しい。

日本政府は海外にシナの朝鮮族の受け入れ先は無いか調査したがある訳がなかった。

最終的には領海侵犯した船は全て沈める事として運悪く生きて日本領の島に流れ着いた者だけを難民として保護対象とする事になった。

誰も居ない離島に収容施設を造って一時的に保護して北京軍閥と対抗するシナの軍閥に強制送還するだけなんだけど……手土産が必要だよな。








後に満州の遼寧省奪還とは関係なしにシナの朝鮮族の難民が発生して、シナの朝鮮族と兵器を抱き合わせでシナへ強制送還する事となり結構な費用が発生して日本は困る事になった。

北京軍閥が内戦で朝鮮族を矢面に立たせる事を決めて徴集を始めた為逃げ出したのだ。

陸路でも海路でも逃げる場所はないのに………


そして海路で高麗半島側に逃げると最後に流れ着くのは日本だ。

日本に流れ着く途中の沿岸で運が良いと食料を与えられてまた海に戻されるそうだ。

なんてことだ。


でも普通は岸沿いに逃げるから住民に見つかって略奪される。

遼寧省の沿岸に住む住民は朝鮮族が占領時に略奪していたり縁戚が虐殺されていたりで恨みが深いからな。

高麗半島の支配者は朝鮮族の略奪から逃れて居ついた者達でこれも恨みが深いからな。

ん~仕方がないのか。


済州島に流れ着いても既に耽羅と言う別の国になっていて朝鮮族は排斥対象だ。

高麗半島はともかく耽羅人は数年前までは同胞だったのにな。

千年以上前の恨みか……あまり理解できんな。


そして日本領海に流れ着くのだが日本では領海に許可なく入る外国船は沈める事になっている。

運が良ければ日本に流れ着いて捕まって最終的にはシナに強制送還だ。

お疲れ様でした。


朝鮮族の扱いについては国内で政治問題化しかけたが流れ着いた対馬で朝鮮族が暴れた御蔭で同情の声は掻き消えた。

何でも対馬は自分達の領土だから好きにして良いそうだ。

…………訳が分からん。


「対馬は我が領土」とか叫んでいたようだけど日本語でないと通じないよ?

それに君達の国はもうどこにもないから領土も無いんだ。

でも君達の望み通りシナの覇権を掴めばシナを領土にできるさ。


海路でシナ側に逃げた者は……

分からないけど日本に流れ着く事は無かった。

運が良ければ沖縄に流れ着くかと網を張っていたのが無駄になった。

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