第3話
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時は過ぎ、次の時間は係、委員会決めだ。
「スピカちゃんは、何にするんですか?」
心紅が私の顔をのぞき込むようにして話しかけてくる。
「うわっ!!い、いきなり話しかけないでよ、心紅…」
「ご、ごめんね…。わたしは、今回も放送委員やりますよっ!!」
「まぁ、元々やりたいひとが少ないからね、放送委員は。」
うちの学年はシャイな子が多いから、人前で何かやろうって子は少ないみたい。
「で、スピカちゃんは??」
「んー、私はなんでもいいかな。余ったやつでいいよ。」
「もーっ!スピカちゃんは、もっと欲が強くならないとダメです!」
心紅は、顔を脹らませてご立腹のようだ。心紅は一度こうなってしまったら結構後が面倒臭い。
「いいよ、じゃあ係は一緒にやろ。何にしよっか?」
と言ってやると、心紅は不機嫌そうな顔がパッと明るくなり、ニコニコしながら
「生活係がいいです!」
え。
「え、なんで?生活係って一番面倒なやつじゃん。」
生活係は、朝早く来て玄関で挨拶をしたり、エアコンの管理、空気の入れ替え等やらなくてはいけないことが沢山ある。
「面倒臭いのは、よーくわかります!でも、生活係は中一から高三までの係で活動をすることもあるんですよ!後輩、先輩達とも仲良くなりたいじゃないですか!」
まぁ、その気持ちもわかるけどね。でも、心紅の狙いは…
「…心紅、どうせ小野先輩がやるからやるーっていう思考じゃないの?」
「…………。」
図星ですな。
小野先輩…小野璃月は、吸血鬼で、高校一年生。赤髪で口の下にあるホクロが特徴。その優しい性格が女子のハートを打ち抜くようで、結構おモテになるらしい。心紅もその内の一人である。
「まぁ、別に私はいいよー。私は心紅を応援してるしね。」
「あ、ありがとう、スピカちゃん!!」
頬を赤らめお礼を言う彼女に、キュンときてしまった。決して世にゆうレズというものではないが…。