人材登用の予定と産業開発と未来への布石
北近江 小谷城
父、長政が久しぶりに帰ってきた。
私を呼んだ。
私のやりように腹を立ててはいたが、『無茶をするな、だが、よくやってくれた。
政元は若狭を動けず、政之は北近江の一揆の対応せねば、難しかった。』
市『ですが、信政が動かねば、貴方も、義兄上も危なかったのは事実』
長政は私に『しばらく、大人しくしておれ、初陣は折を見てさせる筈だったが、必要すらなくなったな。
北近江や若狭の戦後の復興を罰として行なうように』と命じた。
私は『承知しました。臨時ゆえ、人材を登用したいと思いますが、宜しいですか、父上。』
長政は頷き、『好きにせよ、誰かな』
私は『若い片桐貞隆、且元、脇坂安治、小川祐忠、そして、茶々の乳兄弟の大野、後は随時、引き上げていくつもりですが。』
市『義兄上が猿を登用したのと同じ考えですね。身分を問わないとは』
私は『はい、そうしなければ、国を豊かにするのは難しい。』
父は『お主の思うようにやると良い』と。
私は部屋に戻り、思案にくれた。
近江や越前、若狭の特産品か。
火縄を作るところはあるから、火縄に頼らないものを作る必要がある。
南近江なら考えられるものはあるが、難しい。
越前や若狭ならいくらでも考えられるのだが、越前焼、若狭漆器、織物などあるし、敦賀や小浜に港を作り、堺の商人を呼び、納屋を作る。
北国との交易や西国との交易を行なうようにし、国力を上げる。
寒さを凌げるコンクリートの建物を作れるように頑張っていくことになる。
後はなんと言っても、小浜に変な物を作らないようにしておかねばならない。
断層があるのを知っている癖に、地震が起きたらどうなるのか考えなければならない。
想像力の欠如と言うしかない。
あんな物を作らないようにしなければならないだろう。