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産業開発と人材の流失と登用

北近江 小谷城 万福丸



中村一氏からの情報を精査していくなかで、西、毛利の様子と言うか中国地方全般、史実と違う。

特に備中の三村、領内の発展は目覚しい。

道路の整備、火縄の数、産業の発展、堺、博多への販路だ。

軍備の近代化は凄まじい、硝石は自前。

これは、何処かで見たことのある財政改革を利用している。

伯耆、西美作を領有している、

人材は尼子の旧臣を丸抱え、史実のような捨て鉢な毛利との泥沼となった戦いはない。

明石に小西、清水か。

清水の備中高松は要塞化、しかも水攻めを想定した造りか。

これはどうみても、いや間違いなく。

私と同じかもしれない。

それとさらに違うのが、三村が毛利の一族衆になっていること。

ムム、火縄の数が算定不能とはな。

これは危険だ、迂闊に手を出したら、大敗する可能性だってある。

毛利との妥協点は、毛利がこれ以上の東への勢力伸張の有無。

あの謀略家の遺言が守られたら、天下は望むまい。

この時、後ろから近づいてきた、気配に気づかなかった。



同上 京極 竜子



従姉弟の万福丸殿を呼びに来た。

かなり、書類を読むことに集中していた。

堺から珍しいお菓子が手に入ったらしい。

頂いてみたが、なかなか、美味しい。

備中で作られたものらしく、まだ、販売するには至ってないが、売れる商品にすると言う。

万福丸殿はこのお菓子を見て、『これは、何処で?』

市様が『備中で作られたものらしい』

万福丸殿は一言、『そうですか。』

顔色を変えて『この商品の代金は火薬や火縄、硝石に変わるか、備中や西美作、伯耆の内政を行なうために使われる。

武士が商売を行なうと言う考えです。

画期的な考えのため、理解出来ない方が多いですね。

備中で作られているものはかなり、売られています。

銅製品、備中鍬、備中和紙、焼き物、ベンガラ、他にもありますが、見事と言うしかない。

茶々が『武士とは思えないと言うか、まるで、商人ではありませんか』

万福丸『そう、商人だ。

そうしなければ、生き残れぬ。

武士としての誇りだけではな。


茶々、我々と違い、三村の情勢、環境は違うのだ。

東に宇喜多、浦上、北には滅びたとはいえ、尼子、西には毛利と強国に囲まれている。

下手したら、滅びる。

民百姓を守るため、やったことだ。

柔軟な考えを持たなけれはならない』

いずれ、三村の内政を学びたがるだろう、母上、叔父上にもこれが』

市は『恐らく、行っているでしょう。

珍しいものが好きですから。』

万福丸『火縄が算定不能で、技術も進んでいる。

私としては正面きって戦うのは危険だから、

交渉して、話し合いで妥協点を見つけるしかないでしょう』

万福丸殿は席を立ち、『美味しかった、この柚餅子』と。

一言もこのお菓子の名前を言わなかったのに、何故知っているのか、わからなかった。

私は『茶々は三村元親殿を偏見を持った見方をしているが、私には不思議な武将だと思う。

多くの大名は天下を狙うのに、何故、狙わないのか。』と。

この疑問は継室として入った時に本人から

一言、『面倒くさい、元就公の遺志と考えでもある』という一言で終わるが。


今は興味を覚えたのと、何を仕掛けてくるのか、面白さを感じた。



美濃の国 岐阜城 第六天魔王



備中を如何にすべきか、攻めていけば、最終的には勝てるが、そこに到達するまで、多くの兵の屍を山野に晒し、天下統一どころではなくなる。

困ったわ。

堺から取り寄せた菓子は珍しい。

備中で作られたものらしいが、これが火縄に変わるのだから。

最終的に食べた者の命を奪う。

悩みながら食わざるを得なかった。

甘味より苦味しか感じなかった。



近日中に、毛利の安国寺恵瓊と三村の商人兼家臣の小西隆佐が使者として第六天魔王の元に来ることになる。



北近江 沼田 祐光



万福丸様に仕えて、いろいろな情報を得て、彼と供に情報の精査をし、備中や伯耆に甲賀の者を入れることになった。

私から見ても、三村元親殿は只者ではない、

用兵家、謀略家、経世家としても見事な能力を持っている。

この間、岐阜で毛利と三村の使者と織田様が面会したらしい。

途轍もない条件だったらしい。

万福丸殿は『織田様の天下を認める、代わりに毛利、三村の本領安堵を認めて欲しい。

将軍家や石山への援護はしない、か』

まるで毛利の動きを予想していた。

万福丸は笑い、『やはり、たいしたものだな、誰が考えたのか、三村しかないだろう。

織田様は考えるだろうな。

剣を交えてないから、この条件は受け入れやすい。

毛利は東が安定するとなると、西に兵を向けやすくなる。

もう一つ外交を行なう、四国にな。』

私は何処と毛利が結ぶのでしょうか。

『土佐の長宗我部だ。』

私は驚かざるを得なかった。

『長宗我部が四国を?』

『統一するな。間違いなく、西国は織田様の天下を認めるだろう、九州探題の大友を除くがな』

私に『近々、三村元親殿本人に会えるかもしれない』


その後、万福丸殿は侍従からある情報を聞いて、表情を変えた。

『阿閉の愚か者は、藤堂に暇を出した、出すくらいなら、私の家臣にくれと言っておいたのに、渡辺了だけととっただと。

度し難い愚か者だ。』

『で、藤堂は、何処に』

『この間、美濃を訪れた三村の使者と供に備中へ行かれました。

二人の少年も伴ってたと』

『しまった。有能な人材を取られたわ、三村は外交にかこつけ、人材を奪いにきたか、文官の獲得で三村は更に強国になる、ますます、手出し不可能になったわ。

石高は我々の約半分、約四十五万石、これがどれだけ、増えるか、分からなくなった』

万福丸殿は顔色を変えていた。



摂津の国 堺 藤堂 高虎



近江の浅井から暇を出され、備中の三村に仕官しないか、と誘われた。

噂に名高い人物、会ってみるか。

備中の発展は近江にまで鳴り響いていた。

その発展を齎したのは間違いない。

浅井は織田方ゆえ、いつかは三村と剣を交えることになるだろう。

近江を去ることに後ろ髪を引かれる思いだが、仕方あるまい。


前を向いて歩き始めた。

二人ほど同郷の者もいるし、大丈夫だろう。


後に、三村に仕え、城造りや縄張りを学び、内政にも力を発揮することになる。

織田にも知れ渡り、織田の城の縄張りも行ない、直臣になる。



越前の国 北ノ庄城 浅井 政元



一向衆との最前線で、一乗谷は廃墟。

この城を改修している。

父の追放には反対していた。

しかし、追放した結果、浅井は越前、若狭を得た。

朝倉の旧臣とのいざこざはない。

なぜか、前波吉継殿に聞いたら、左衛門督殿は君主としての器ではなかった。

孝景殿が考えられたことを行えなかったのではなく、考えられたことを死文化し、身分を問わない人材を確保しなかった。

有能な人材を野に下らせてしまった。

浅井としては、そうはしないように努力していかないといけない。

最後迄、左衛門督殿を見捨てることなく、朝倉氏に忠誠を誓い、野に下った鳥居景近、高橋景業を年も改まったこと、旧主の忠誠心を評価した兄は、彼らに頭を下げて、浅井に仕えて欲しいことを要請した。

彼らは、当初は断わっていたが、最終的に浅井に仕えることになった。

兄は現在、内政を行ないながら、一向衆を抑えている。

弟の政之は若狭にいるが、越前と同じく国人領主の力が強い。

なかなか、我々に従わないところもある。

力で押し付ける訳にはいかない、どうしたものか。

下手な対応したら、一向衆や他国に付け入られる。

万福丸は火縄の数や産業開発、画期的な内政を行ない、安定した統治を行なうようにと。

善政を行えば、民、百姓の生活の保障できるとも。

やはり、万福丸に力を貸して貰うか。



万福丸は越前に呼ばれることになる。


































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