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予定

相模の国 織田本陣



第六天魔王の本陣に中山道方面軍と北陸道方面軍が合流してきていた。

第六天魔王は労っている。

父や私、景勝殿、元親殿をはじめとする将に一人一人声をかけている。


父が『北條は如何になっていますか?』


第六天魔王『揉めているようだ。援軍もないのに籠城してどうするつもりなのか。

とりあえず小早川隆景の策を入れ、城を築いたわ。

経験者ゆえ、参考になった』


隆景『月山富田城で経験していますし、焦って攻めても無駄な犠牲が出ます。

ゆるりと、攻めていこうと。

のう、元親よ。

お主も賛成であろう』

元親は頷いている。


第六天魔王『東北の大名が従属の挨拶に来ておるし、その接待が今の我らの仕事になっている。

面白い大名が何人かいたがな』


私や元親殿はなんとなく誰のことか分かっていた。


挨拶を終え、宴会を開き、打ち合わせをしたりと忙しい日々を過ごしながら、しばらくして私と元親殿は第六天魔王に面会した。



第六天魔王「二人揃って、尋ねてくるとはな、どういう要件か。」

側には森蘭丸と堀秀政が詰めているのを見て、元親殿は「お人払いをと思いましたが、堀秀政殿や蘭丸殿にも聴いて頂こう」

私は第六天魔王に「申し上げたいことがあって罷り越した次第、上様、関東を得た後、如何なされるおつもりですか。

論功行賞を行い、東北遠征の後は」

第六天魔王「内政を行い、日の本を固め、朝鮮、明へ向かうつもりだ。

御主らの力を借り受けるが」

私「なりませぬ、朝鮮、明を攻めては。

逆に国力が衰退するだけで終わります」

第六天魔王「なに」

甥の言葉に愕然としていたが、元親殿「上様、私の家臣に朝鮮に詳しい者がいて、纏め上げた物が御座います故、お目通しを。

我ら二人が考えた物もありますのでそれも」

第六天魔王は元親らが纏め上げた物を読んでいる。


第六天魔王「戦闘、戦争には当初は勝てるが、泥沼に嵌り、苦戦するとあるが」

元親「はい、まず、日の本と気候が違い、冬は酷く寒いし、風土も違う。

そして、飲み水が日の本と違い、そのまま飲むと腹を下し、病になりやすい。

交通路は難路が多く、進軍、後退が難しい。

朝鮮軍は確かに弱いですが、明の後援軍が入ってくると何十万の兵力があり、いくら日の本が戦国の世を潜り抜けた少ない精鋭とはいえ、苦戦は免れない。

それと補給が困難です。

海路より補給物資を運ぶとして、補給物資が必ずしも最前線に届く保証がありません。

私が朝鮮軍の指揮官なら、補給を断つべく動く。

下手したら、日の本の軍は異郷で骸を晒すことになりましょう。

朝鮮の宮廷には両班という文官と武官がいて権力闘争を続けてますが、我らに一致団結して向かう可能性もあります。

かつて高句麗は隋に何度か攻められました

高句麗は内部崩壊してましたが、隋が攻めてくるときいて、一致団結して隋を破り、最終的に隋を滅亡に追いやりました。

権力闘争と地方の困窮で内部崩壊しているが、一致団結して我らに向かってくるでしょう」

続けて、私が「上様、朝鮮を統治は不可能に近いと我ら二人は考えております。

朝鮮を得たとして困難に突き当たります。

日の本の言葉、文字が朝鮮の民に通じませぬ。

意思疎通が図れない。

言語を理解するまで教育していかなければならない。

時間がかかり、一揆が頻発する。

それを抑えるのに犠牲が増え、統治が難しくなります。

内政どころではなくなります。」

第六天魔王は黙って我らの言葉を聴いていたが「朝鮮に拘るのは愚策か」

私と元親殿は頷き、「上様がイスパニヤに脅威に映るは分かります。

朝鮮以外の土地、イスパニヤの匂いがない土地は世界にはありましょう。

まず、近い場所というか、蝦夷、樺太、琉球、高山国、朝鮮の飛び地とも言える済州島があります。

蝦夷、樺太は日の本より冬は寒く、住みにくいですが、我らの技術があれば寒さに強い建物は造れます。

琉球、高山国は日の本より暑いため、瘴癘の地と見られるが、克服出来ます。

上手く開発すれば、日の本の国力は上がります。

稲作は二回出来る可能性もある。

それに先住民達との交易を行いながら、時間をかけて、日の本の民として受け入れる態勢を作る。

確かに反発はあるだろうが、日の本の民と先住民達が共に開発していくようにし、利益を得れると見れば、反発は薄らぐ。

イスパニヤの政策は富を搾取するやり方、我々は違うやり方をすればよい。

逆に上手くやればイスパニヤの勢力を削げるでしょう」

第六天魔王「で、あるか」

私「どうしても朝鮮に拘るのであれば、済州島を取り、朝鮮の動きを探りましょう。

あの土地は日の本で言う、隠岐、佐渡、伊豆大島みたいなもの、朝鮮の宮廷の権力闘争で敗れた者が流されるところです。」

第六天魔王「分かった、しかし、何故、儂が外地に向かうかわかるか。

武士達を食わせる方法を考えていたのと、与える土地がのう」

私や元親殿は頷き、「兵制を考えてますが、

日頃は民、百姓、戦時になれば武器を取る屯田兵制度です。

蝦夷や樺太、高山国、済州島で使えます。

開発しながら、外敵と戦うやり方でよろしいかと思います」

第六天魔王「考えておこう。

とりあえず、関東だが、信孝に任せようと思ったが、止めた。

信孝には房総。信房には伊豆、相模を任せる。武蔵、甲斐には権六を当てる。

信政、元親なら関東を任せられたのだがな。

上杉には越後、佐渡に北信濃。真田には上野一国を与える。

それと御主らには信政には飛騨を加える。

元親、御主には美作全部と但馬を加える。

それと信孝を苦戦に追いやった甲斐姫、元親にくれてやる、また、成田一族も配下に加えてやる。

宇喜多には備前に播磨半国を与える予定だ。

まあ、全てが終わってからだ、励め」

第六天魔王は席から離れて行った。



ここで話し合ったことが実行されるのは数年後のことである。















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