生き残り、近江編
生き残り兵乱記
近江編
家で寝て起きたら、何が起きたのか、分からない、どう見ても昔の日本だ、戦国時代だろうか、赤ん坊に転生してしまった。
母親らしき女性が、抱き上げている。
うわっ、凄い美人。
母親が一言、万福丸と呼んだ。
『私は目の前が真っ暗になった、後にも先にも、この名前の子は浅井長政の長男の名だ。
第六天魔王の妹であり、戦国時代、屈指の美女、お市を娶ったが、朝倉に着き、最後は第六天魔王に滅ぼされた。
その際、万福丸は、猿が第六天魔王の命により、田楽刺にし、処刑された。
【万福丸は、市の子ではないという諸説があるため、分からないが】
とにかく、第六天魔王に処刑される。』
私は腹をくくって、生き残りを考えよう、周りを気にすることなく、警戒されるだろうが、仕方ない。
逆に猿を田楽刺にする心積もりで。
祖父だろうが、朝倉だろうが、戦国の世である以上、やらなければ、やられる。
義理立てして滅ぼされたら、母親やまだ生まれてない妹達は苛酷な運命を辿ることになるだろう。
民、百姓が戦乱で苦労するだけだ。
北近江か、良質な鉄が取れ、後世に名を残した、火縄の産地がある。
使えるものは使う、これだ。
人材は浅井譜代の家臣団にも、有能な人材がいる。
遠藤直経、海北綱親、赤尾清綱、磯野員昌、
宮部継潤、藤堂が最初に仕えた阿閉。
猿を支えた、人材、石田三成、増田長盛、長束正家、大谷吉継や藤堂高虎、田中吉政、渡辺了、若狭には軍師が、甲賀の忍びを雇い、情報を集めていくのも良い。
南近江の六角にはあの俊才がいる、欲しいが無理だろうな。
浅井の癌になるだろう祖父をなんとかしなければならない、内政に関してはまあ、評価出来るが、後はロクな選択をしなかった。
評価が分かれているくらいなのだ。
あの癌を追い出すとして、悪名高くなるが、甲斐武田と同じように。
姉川までになんとかする必要があるだろう。
父には大義親は滅すと言って口説くか、将軍家の要請を無視した、朝倉が悪い、第六天魔王を上手く口説いて、東海道を狸に任せたように、北陸道を浅井に任せて貰うようにするしかないだろう。
【某小説のごとく】
私の生き残り=母や妹達の運命を変えることをモットーにやっていくしかない。
自身と同じように生き残りを考えた大名がいて自身と同じように転生し、運命を変えた人物がいるとはこの時は思いもしなかった。
その人物に会うのは、まだまだ先の話である。