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とある魔法使いの娘の呟き 097
「そう、あの時、僕はあの魔法を使った。そして、あの子が濁流に流されそうになったところを助けたんだ…」
そう言ったお爺様は、腕の中で寝ている幼い父を申し訳なさそうに見つめる。そんなお爺様を慰める様に、お婆様が寄り添う。
「でも、こちらに戻ってもあの孫は生きてなかった」
お爺様の代わりに続けたのは曾お婆様。
「…なぜですか?」
誰も言葉を発することが出来ない中、王女が恐る恐るといった感じでありながら曾お婆様に聞く。まったく、この子の胆力は恐れ入る。
「フフフ、面白い子ね」
曾お婆様も王女が気にいったようだ。
「貴女は、パラレルワールドとか、平行世界とか聞いたことあるかしら?」
「いえ」
「さて、どう説明したらいいかしらね…」
曾お婆様は右の人差し指を顎に当て、視線を上に向けるのでした。




