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とある魔法使いの娘の呟き 094
「皆、面を上げて。客人たちが戸惑っているわ」
そう言われ、顔を上げるとまるで、女神が舞い降りたかのように微笑む女性が立っていた。
私たちに合わせて、跪いていた王様、王妃様や王女達もあまりの美しさと私たちの態度にどうしたらいいのか分からないといった感じにオロオロと落ち着かないようだ。
「さすが、誰でも知っているけど、知られていない存在」
「「「?」」」
お爺様は、場を和ませようとおどけた感じで女性に話しかけるが、王達の表情は余計に戸惑ってしまっている。
「あなた、それ言いたいだけでしょ」
女性は呆れたようにお爺様を見る。
「ははは。じゃあ紹介しようか。我が母にして、この世界の創世記にも謳われた…」
この世界にある神話、歴史書に登場する誰もが知っているけれど、知られていない存在。
「初代魔王よ。よろしくね」
長い金の髪をたくし上げ、私に遺伝しただろう赤い瞳のツリ目でウインクしてくる陽気な初代魔王様…
「「「…え?」」」




