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とある魔法使いの娘の呟き 091
「やあ…」
地下から上がり、天井が高く広い玄関ホールに出ると、二十代後半のリンクに見える男性が私たちを出迎えてくれたが、私に抱かれた幼い父を見て、出迎えの言葉を呑み込んでしまった。
「なるほど、そうなってたか…ずっと抱いているのも大変だろう、僕が換わろう」
いつの間にか寝息を立てていた父を愛おしそうに、私から受け取る男性。その姿は、本当の親子のようで…
「いっそのこと、このまま引き取っちゃおうかな」
「そ、それはダメです!」
落ち着け、王女。そして煽らないでください、お爺様。
そう、このとても孫がいるように見えない男性こそ、私の母方の祖父でこの世界で最強と謳われる魔王様である。
「ははは、冗談だよ。皆が揃うまで、寛いでいてね」
そう言うとお爺様は、父を抱いたまま玄関の外へと出て行った。




