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とある魔法使いの娘の呟き 086
「母様」
私が表情を強張らしている高官さん達を見ていると、私の使い魔兼侍女が自らの母である家政婦長に話しかけていた。
「なんですか」
「私はまた失態を…」
普段あまり感情を表に出さない無表情な彼女は、自分を責める様にその言葉を絞り出す。
「ふふ、こんなことで失態にはなりませんよ。今日の奥様が割った皿に比べたら…フフフ」
「ヒィ」
まるで、失敗をして怒られる子供のように、甲高い声をあげてガクガクブルブルと震えだし、私の後に隠れるお婆様。
先程まで頼もしかった姿が、どこかへ行ってしまったのですか…あの様子を見るに相当数を割ったのかしら…
「伯爵様?」
私は、ふと思いついたことを実行してみることにした。




