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とある魔法使いの娘の呟き 076
統龍様とお婆様の睨み合いの空気に当てられてか、会議室にいるほとんどの人が沈黙を持って成り行きを見守っている
「それにしては随分と遅いご到着の用じゃのう」
沈黙を破り、最初に仕掛けたのは統龍様。
「あら、あなただってさっきまで寝こけていたのだからそんなに変わらないでしょ。それにこっちは客商売、暇龍と一緒にしないでくれる」
統龍様としては、軽いジャブくらいから始めようとしたのだろけれど、お婆様が返しは、右ストレート。喧嘩っ早いお婆様らしい返しである。
「なにおう」
「なによ」
「奥様」
「「…」」
そして、そのまま乱戦になるかと思われた統龍様とお婆様の口喧嘩が、統龍様の妖艶さに勝るとも劣らないメイド姿の女性の一言で早々に停止する。
「…そうね。明日は朝から団体客が入るのだっけ…貴重な休み時間に面倒を起こしてくれるとは
「さすが奥様のお子様ですね」
…グ」
その絶妙なツッコミに変な声を出すお婆様。さすが我が使い魔の母にして、本家を仕切る家政婦長兼仲居長様である。




