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とある魔法使いの娘の呟き 075
「…ちっ、猫かぶりめが…何用じゃ」
苦虫を噛まれたような顔をした統龍様が、自分の胸辺りにある突然現れた幼さの残る女性の顔を見下す。
「何用とはどの口が言うのかしら。義息子と孫娘の住んでいる国に巨大な魔力が発生すれば、心配で見に来るのは当たり前でしょう」
エルフ族特性である長く尖った耳に、端正という言葉が裸足で逃げ出しそうな美しい顔立ちの彼女の眼差しは、曇天を貫くが如く統龍様を見上げる返される。彼女の勝気な態度と台詞が、その性格の衰えることがないことを教えてくれる。
まあ、元気な証拠なのかもと、どこか逃避をしてしまう私である。
説明は不要かもしれないけれど、統龍様と張り合ってるには、私の母方の祖母である。見た目は私と変わらないほどの年頃に見えるが、すでに永い時を過ごしていらっしゃる。
お婆様曰く、エルフ的には、やっと成人した様なものよとのこと。曾祖父母も若々しく矍鑠として居るので、そういうことでしょう。




