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とある魔法使いの娘の呟き 067
「例えばここの魔法陣。一見ただの防護壁に見えるこの魔法陣じゃが、さらにその中に小さな魔法陣を仕込まれておって、コチラの魔法陣に結び付けておる。ダミーに見せかけた当りに見せておる」
統龍様は、それは楽しそうに母が作ったと思われる魔法陣の説明を始めた。
「え?ダミーに見せかけた当りに見せておる?」
「そうじゃ、これを辿って行くと、ほれ元の魔法陣に戻ってくるじゃろ。今指した魔法陣はすべて防護壁じゃ。しかも一つ一つの魔法陣に2,3個の他の魔法陣と繋がりを持っておる」
私のオウム返しになってしまった質問にいやな顔をせず、むしろ嬉しそうに答えてくれる統龍様。弟子を取っていたことを考えれば、教鞭をとることが好きなのかもしれない。
「まるで、迷路みたい」
静かに聞いていた王女が零した声を聞いた彼女は、その言葉を待っていたとばかりに満面の笑みをたたえた。




