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とある魔法使いの娘の呟き 066
「い、いえ、普通魔法陣を無理やり拡張すると、暴走するか、そのまま消滅してしまうと思うのですが?」
部屋にいる多くの人たちが、私の言葉を固定するように首を縦に振っている。
「ああ、そのことか。これは拡張ではなく、拡大じゃ」
拡張ではなく、拡大?
「ふむ、詳しい説明を省いて今起こっている現象を説明するならばじゃ。幻覚魔法で魔法陣の拡大図を写し出しとるだけじゃ」
えっと、ただでさえ集中力の必要な解析魔術に、魔力使用量の多い幻覚魔術を同時発動させろと…なだろうこの出鱈目な感じ。首を振っていた人たちも一様に表情を固くしている。
ん、小父様は苦笑いっといった感じ?
「それはさておき、今はこれじゃ」
そう云いながら彼女はまるで子供のような表情で、目の前の大きな魔法陣の一つを指差す。




