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とある魔法使いの娘の呟き 043
「ああ、今のこの子のことは、気にしないでいいよ」
私の視線に気づいた小父様がそう言った。たぶんだが、あれは小父様お得意の幻覚魔法を掛けられているのだろう。
頭を杖で殴るついでに、幻覚魔法を発動させたに違いない。リンクとは、かけ離れた魔力を持つエルフの彼からしたら、転移魔法も幻覚魔法もお手のものなのだから。
たぶん皇子の魔力を目印に転移魔法を使ったら、目の前で皇子が調子乗っていたという感じだろう。
「ところで、小父様はお一人で来られたみたいですが、何か急用があったのですか?」
皇子の執事の話では、到着はまだと言っていた。目的が子守りとはいえ、皇帝の命で動いている方が、単独で転移魔法を使ったということは、帝国で何かあったのだろうか?




