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とある魔法使いの娘の呟き 004
話が反れたけれど、何故私たち父娘が王女様の誕生パーティーに呼ばれたのか。まずは、そのことから。
それは、父が今の地位を手に入れた経緯と関係している。
それは、まだ母が存命で私が五つの時で、子供のみが罹る病が流行した。現在でも数件の発症報告が上がっている。
病気の発生源は海沿いの地方からと言われているが、未だに賛否両論分かれ議論されている。
その被害はまだ幼い子供ばかりで、症状も風邪に近いこともあり、未知の病であると気づいた時には、死者こそ出なかったが、王都のほぼ全ての子供が罹っていた。
そう、私も含め、当時四歳の王女様も例外ではなく、この病に罹ってしまった。