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とある魔法使いの娘の呟き 035
「「「ゲコ、ゲコ」」」
私たちの目の前には、成人男性が入りそうな程の樽に集められた数十匹のカエル。
カエル自体は、実験でよく使われるので慣れているものの。この数は流石にいただけない。
王女も一、二匹ならともかく、こんな量を見るのは初めてなのか、私の背中から覗くように見ている。
「…いないな」
解析魔法でカエルを調べ終えた父がそう口にして、肩を落とす。
飛び出して行った従者を追いかけ、学院裏にある池でカエルハントを勤しんだわけだが、成果はなく空振り。
「そうですか」
従者の彼もそれを聞いて項垂れる。
このままでは、彼の首どころか戦争もあり得る。
そうなれば、私たち父娘もただではすまないだろうけれど。これも…
「探索魔法に引っ掛からいのは、厄介ですね」
書記の男子が、調べ終わったカエルを突きながら愚痴る。
本当に厄介な物を…目的に至っては、不純極まりないし…はぁぁ…




