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とある魔法使いの娘の呟き 032

 王女の様子を見ていると、サンドイッチと飲み物の乗ったトレイを持った王女付きの侍女と静かに佇む熊が立っていた。


「あれほどの魔力を放出されたのですから、お腹がすかれたのではと思いまして…」


「…」


 気配がなかったのに驚いてしまったのもあるが、静かにこちらを見る父の顔に、息を飲んでしまう。こんな父の表情を見るのは、いつ以来だろうか。怒っているのか、悲しんでいるのか判断できないその表情は、私をとても戸惑わせる。


 私の戸惑いを感じとったのか、父は息を吐くと王女の侍女からトレイを受けると私に差し出してきました。


「…いただきます」


 私は、そう言ってただただ受け取る。


「ふふ」


 笑い声が聞こえたので横で見れば、王女様が横になったまま、こちらを見て笑っていた。


 む、今の私は魔力の暴走により、魔力が枯渇してしまっている状態であり、このままではまた意識を失いかねないので、魔力の回復が必要なのだ。で、手っ取り早く魔力を取り戻す方法の一つが、食事。別に、私が食いしん坊という理由ではない。


 っというか、はしたないですよ王女様。


 父!そのしまりのない顔はやめて…


 …さて、魔力の回復は見込めそうですし。


「皇子の執事の話を聞きますか」

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