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とある魔法使いの娘の呟き 029

「どうして、あなたが、これを、持っているのかしら?」


 抑え込んでいた怒りの感情に合わせて、魔力が膨れ上がているのがわかる。


「あ、朝、皇子を起こしに部屋をた、訪ねたのですが、皇子の姿はなく。サ、サイドテーブルにこの容器が…」


 規格外の魔力の量に、当てられたのか顔を青くする従者。


「…」


 私は、母方の血を濃く受け継いでいるせいか。一般的なリンク(猿人族)の何百倍もの魔力を保有している。


 そして、未だ未熟な私は感情の起伏によって、その制御ができなくなってしまう。


 いつもならば、父や使い魔の娘がいてくれるのだけれど、父は家の納戸で吊るし、使い魔はキャンディーの捜索と近くにいない。


 これはマズイ。


 近くには、生徒会の子たちや王女までいる。ここは抑え込まないと、と思うのだが一度怒りの感情に同調した魔力が治まらない。


「ぁぁ」


 少しでも被害を抑えようと自分の体を抱きしめるように抱え込んでみる。


 とても息苦しい…


 ふと、温かい何かが私を包み込む。

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