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とある魔法使いの娘の呟き 026
「|Il peut être protégé!《彼のものを守れ!》」
いつもの折檻用魔法が発動するのに合わせて、居間の隅に控えていた使い魔が防御壁を展開し、父を守る。
「お嬢様。落ち着いてください」
「ええ。ありがとう」
感情的になってしまい、呆けた私に静かに話しかけてくれる彼女に感謝した。
今度、彼女の好きなお茶を作ろう…
その前に
「あれは破棄したのではないのですか?」
「それは、その」
しどろもどろになる父は、大きな体躯が嘘の様に小さくなっていく。
「私は、破棄を、お願いしたと、思ったのですが!」
「いや、あれを作るのには結構時間が掛っていて、それにまだ利用できるかもと」
…また家出させるつもりか!
「…納屋に吊っといて」
「な!?」
「はい、お嬢様」
「なああぁぁ…」
引きずられていく熊の野太い悲鳴に怒りしか湧いてこない…
さて、“変身キャンディー”はどこへ




