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とある魔法使いの娘の呟き 112
「あなたと王女には謝っておきたいの。ごめんなさい。あの孫娘がこんな薬を作ったことも、死んでしまったことも、原因は私なのだから」
私と王女に頭を下げる 曾お婆様は。突然の謝罪にどうしていいかわからず戸惑う私たち。
「初代魔王様…私には、その謝罪の意味を理解するには、今だ未熟過ぎます」
はじめにそう声を出したのは、私ではなく、王女でした。
「ですが、小生意気な娘と思われるかも知れませんが、私なりに愛し愛され、癒し癒されたいと願う気持ちを理解しているつもりです。それに、初代魔王様がいらっしゃらなければ、たぶん私はこの世に居らず、愛して欲しいと願う先生にお会いすることができなかったのだと思います」
彼女は愛おしそうに、幼くなった父に目を遣る。
「感謝の言葉を口にすることがあっても、憎むような恥知らずなことなど致しません」




