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とある魔法使いの娘の呟き 011
絶望した熊が現れた数日後、とうとう父がやらかした。
生徒会の仕事を終え、家に帰ると上機嫌の父の声が聞こえてくる。
何かと思い、居間を覗き込むと、大きめな鳥籠に入った白鳥に一生懸命に語り掛けていた。
時折、姫様、姫様と白鳥のことを呼んでいる。
王女の婚約がそんなにショックだったのか…
娘として、壊れてしまった父をどう慰めるかと考えていると、ふとした違和感。
あの白鳥…やたらと人間臭い気がする。
何が面白いのか分からないが、父が自分の武勇伝を語るとサファイアの様に深い青の瞳をキラキラと輝かせながら話を聞く白鳥。
「王女様!」
思わず大きな声を出してしまった。




