そして、鮮血へ20
アタシ達は一斉にペンシーバニーに攻撃を仕掛ける。
まず、サグアとスキュラが魔法を放つ。
サグアの炎の束とスキュラの水の束。
それをかいくぐるようにして避けるペンシーバニー。
少し無理な姿勢になった所でシュウドがペンシーバニーの頭を蹴り飛ばした。
そのままの勢いで連撃を仕掛けるが二撃目以降はガードされている。
シュウドは上半身に攻撃を集中させ、ペンシーバニーの意識を上半身に向けさせている。
そして不意にしゃがむと足払いをしてペンシーバニーに尻もちをつかせた。
「ぬう?」
立ち上がろうとするペンシーバニーを地面に押し付けるようにシュウドの足刀が喉に入る。
今だ!
アタシは剣を振り下ろそうとする。
しかし。
ペンシーバニーは喉を地面に押し付けるようにしているシュウドの足を掴むと、そのまま上半身を起こしてシュウドを投げた。
「!!!!」
アタシは驚いて攻撃の手が一瞬鈍る。
その瞬間を見逃さずに立ち上がったペンシーバニーはアタシとの距離を詰める。
横に剣を振り牽制をかけたが、ペンシーバニーはそのままの勢いで飛び上がり斬撃をかわす。
空中で身体を回転させ、アタシの顔にペンシーバニーの蹴りが入った。
剣を振った直後でガードも出来ずまともに食らってしまう。
ペンシーバニーに頭を掴まれそのまま持ち上げられた。
抵抗するが掴む手は離れない。
なんて力!
その様子を見ていたサグアとスキュラが魔法を放とうとした時、ペンシーバニーはアタシをサグアとスキュラに向けて投げた。
二人はアタシを避けるわけにもいかず、三人三つ巴で床に転がった。
どれくらい時間がたっただろう。
戦局は相変わらず。
アタシ達はひと固まりにになってペンシーバニーと睨み合っていた。
「どうした?もう終わりか?」
ペンシーバニーは相変わらず余裕を見せている。
「ルンミイ。そろそろ夜が明ける。奴が吸血鬼なら…」
サグアはそっとアタシに呟く。
もし奴が本当に吸血鬼なら、日の光には弱いはず。
そして、この魔界樹の杭。
戦闘能力では勝てない。
あとは、これにかけるしかない!
サグアは魔力を集中し、巨大な炎の球をペンシーバニーにぶつけた。
「うぉ?」
ペンシーバニーが炎に包まれる。
その間にアタシ達は階段を駆け昇る。
お願い!
朝日!
「逃がすか!」
後ろからペンシーバニーの叫び声が聞こえる。
アタシ達は後ろを振り向かず、玄関ホールまで一気に走った。
窓を見ると薄く日がさしている。




