そして、鮮血へ19
サグアは炎の矢を放つ。
複数の炎の矢が一直線にペンシーバニーを襲う。
しかし、ペンシーバニーはそれらを腕を降るだけでかき消す。
そこへサグアの魔力を纏わせた拳が迫る。
拳はペンシーバニーの頬をとらえた。
少しよろめいたペンシーバニーを追撃するサグア。
攻撃の手を緩めない。
一方的な展開に見えた。
だがそれは大きな間違いだった。
「そろそろいいか?」
ペンシーバニーはおもむろに口を開くとサグアの拳をガードし、サグアの顔面を殴り飛ばした。
カウンター気味の攻撃をモロにくらい、サグアの足元が揺らぐ。
アタシは剣を構えペンシーバニーに向かおうとすると、衝撃波のような力を受け壁に叩きつけられる。
「女は後でゆっくり相手してやる。もう少し待っていろ」
ペンシーバニーはサグアを蹴り倒すと、身体をクルッと回転させいつの間にか後ろから迫っていたシュウドの腹に蹴りを入れた。
相手になってない。
アタシは改めて剣を構える。
どうすればいい?
スキュラも怪物の姿に変化し、戦闘体制に入った。
「ほう?面白い泣き叫ぶ女もいいが、強い女もきらいじゃない」
ペンシーバニーが笑いながら言った。
アタシはスキュラに目配せすると、ペンシーバニーとの間合いを詰めて剣を振りかぶる。
ペンシーバニーは笑いながら特に回避行動を見せない。
おそらく、アタシの斬撃なんて恐るに足らぬといった所なんだろう。
一度、アタシの剣は空を切る。
二撃目に移る直前、ペンシーバニーを水の束が襲った。
スキュラだ。
「ちぃ!」
魔法自体は効いていないようだが、それでも一瞬ペンシーバニーの視界が奪われる。
「だぁぁぁぁぁぁ!!」
アタシは剣をペンシーバニーの腹に突き刺す。
肉を刺す独特な感覚。
刃をつたう血。
剣を引き抜くと、アタシはペンシーバニーと距離をとって再度剣を構えた。
自らの腹を押さえるペンシーバニー。
口からも血を流している。
しかし、その顔から余裕は消えていなかった。
「く…くっくっ…はははははは!」
高らかに笑うペンシーバニー。
「何がおかしい?!」
「我が身体に傷がつくなど久しぶり過ぎて愉快になった」
言いながらペンシーバニーは腹の傷から手を離す。
すでに傷はふさがりかけていた。
「だが我が身体は不死身だ。お前達は死ぬしかない」
ペンシーバニーはまた愉快そうに笑う。
「なら再生出来ないようにしてやる!」
「出来るもんならな」
ペンシーバニーを囲むようにアタシ、シュウド、サグア、スキュラが立つ。
身構えるアタシ達を見ても、ペンシーバニーは余裕な態度は崩さない。
その余裕もここまでだ!




