そして、鮮血へ16
ここは…?
床にから起き上がり、部屋を見回す。
そこは、人形達がいた部屋。
しかし、荒れた雰囲気は一切ない。
まだ生活の匂いがする。
どうなってるの?
クスクスクス…
笑い声。
アタシは弾かれたように振り向く。
そこには一人の少女が立っていた。
あの、肖像画の少女だ。
ワタシ、サミシカッタノ。
ダカラ、オニンギョウデアソンデタノ。
デモ、ミンナコワレチャッタ。
ダカラ…アソンデ?
少女の顔は、言葉を発するごとに険しくなり、最後の言葉を言い終えた時には悪鬼の様な表情になっていた。
アソボ?
少女が飛びかかってくる。
アタシは剣を抜く暇も無く壁に叩きつけられ、首を絞められる。
なんて力!!
…ごめん!
アタシは心の中で謝ると、少女の足に触れる。
一瞬、少女の意識を別の所におきたかったからだ。
その一瞬を逃さず、アタシは少女の鼻に頭突きをした。
少女の力が緩む。
その瞬間に少女を振りほどき、前蹴りで少女を飛ばす。
少女はテーブルを派手に倒しながら地面に転がった。
その隙にアタシは剣を抜く。
その時、さっきまでとは違う声が聞こえた。
お願い。
私を殺して。
少女を見ると、さっきまでの悪鬼の様な顔と違い肖像画の通りの可憐な顔をしていた。
どういう事?
お願い。
もう、こんな生活は嫌。
誰も傷つけたく無い。
アタシが少女に手を伸ばそうとすると、また表情が醜く歪む。
アソボ?
この子は、何らかの法術で操られているのか?
少女は、跳躍しアタシとの距離をとる。
アタシは剣を構え、少女を睨む。
先に動いたのは少女だった。
もの凄いスピードで間合いを詰めてくる。
アタシは冷静に、剣を横一文字に振った。
勢いを止められず、でも剣をよけるために少女はのけ反るような不自然な体勢になる。
アタシはそのまま剣を返し、袈裟懸けに斬りつけた。
少女の身体が赤く染まる。
少女は床に倒れた。
しかし、その顔は悪鬼の様な顔では無く、とても安らかな顔をしていた。
ありがとう。
少女の口が動く。
そのまま動かなくなった少女の額に手を置く。
何があったのかわからない。
けど、これで少女は解放されたのだろうか。
!!!!
アタシはスーッと意識が遠のくのを感じる。
アタシは意識ある限り、少女の手を握っていた。




