そして、鮮血へ10
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どれくらい時間が流れたか。
サグアは、ズキズキ痛む後頭部をおさえながら起き上がった。
頭の中にモヤがかかっているようだ。
確か、一人を追い詰めた所で…もう一人の男にやられたのか。
一人にしか意識がいかなかったのは失敗だった。
軽く頭を振る。
牢を見ると、みんながホッとした顔をしていた。
「よかった。サグア、大丈夫?」
ルンミイはサグアに問いかける。
「大丈夫…ではないな。かなり痛い」
サグアは少し笑いながら言った。
「サグアさん、鉄格子に近づいてください」
言われた通りにサグアが近づくと、イパスルが殴られた後頭部に聖法をかけた。
痛みが引いていく。
しかし、事態はかなり最悪だ。
鍵は二人組が持っている。
とにかく、その鍵をさがさなくては。
サグアは考えながらフと思った事を口にする。
「スキュラ、変身してもこの牢は破れないか?」
「それが…ダメなんです…」
サグアが気絶している間、ルンミイ達も試行錯誤したらしい。
一番可能性があると考えたのが、やはりスキュラの変身後のパワーだったようだ。
計り知れない腕力を発揮するし、強力な魔法だって使える。
しかし、結論からいって牢はびくともしなかった。
何らかの法術がかかっているらしい。
もちろん、シュウドがいくら蹴ろうがルンミイが斬りつけようがダメだった。
「やはり、あの二人を探すしかないか」
「サグア、あのヤロー、宝探しするみたいな事言いながら出て行ったから、うまくすりゃこん中にまだいるぞ」
「わかった。いる事に賭けて探すか」
サグアは体操をするように身体を伸ばす。
「もう少しの辛抱だ。我慢してくれ」
「サグア、さっきあいつ等から受け取った鍵、この中で拾ったらしいからもしかしたら使えるかもしれねー。持って行ってくれ」
サグアはシュウドから鍵を受け取ると部屋を出た。
とりあえず、古城の入口まで戻り、辺りを伺う。
窓を見ると外が暗い。
来た時はまだ朝の方が近い時間だったが。
そんなに長い時間気を失っていたのか。
さて、あの二人はまだこの中にいるだろうか。
と、二階で人が動く気配がした。
あの二人組か?
足音がして、続けてドアの閉まる音がした。
何かをひっくり返す音もする。
あの二人組の可能性は高そうだ。
とりあえず行ってみるか。
サグアは足音を殺しながら、二階への階段を登り出した。




