そして、鮮血へ9
シュウドは受け取った鍵を鍵穴に挿しはしたが、回すことなく牢の扉を開けた。
「鍵かかってねーじゃねーか」
そのまま中にはいる。
アタシとイパスルも中に入って猿ぐつわをとり、法術封じの手枷を外しにかかる。
その間に、倒れていた男がガバッと起き上がり、牢の扉を閉めて鍵をかけた。
「なっ…?」
やられた!
でも牢の外にサグアがいる。
「お前らが馬鹿で助かったぜ。鍵を渡せっていうから鍵を渡したが、それは牢の鍵じゃねぇ。そこで拾った物さ」
男は不適に笑う。
「てめー、いい加減にしとけよ?」
シュウドが怒りの形相で叫ぶ。
「吠えてろ。檻の中じゃ猛獣だって怖くはねぇ」
男はサグアに向き直る。
「…俺一人なら勝てると踏んだのか?」
サグアは見下すように二人組を睨んだ。
「勝てるさ」
男はサグアに殴りかかる。
サグアは魔法士。
本来、肉弾戦は得意じゃない。
下手に魔法を使えば、人間相手では殺してしまう可能性が高い。
だから魔法は使えない。
男はそう踏んだのだろう。
残念。
サグアはそんなに不器用じゃない。
サグアは男の攻撃をよけると、右手に魔力を纏わせて男の顔面を殴る。
腕力は男に劣るだろうが、こうゆう魔力の使い方をすれば腕力の劣る分はカバーできる。
更に続けて蹴りや突きを浴びせ、オマケとばかりに顔面を殴り床に倒した。
男は素早く立ち上がると、腰からナイフを抜いた。
「ぶっ殺してやる」
「…いかにも小物臭いセリフだな」
サグアはナイフをよけ、男の腹に蹴りを入れ、前かがみになったところで顔面を突き上げた。
床に倒れながら、男がサグアを睨む。
サグアは転がっているナイフを離れた所に蹴ると、
「まだやるか?おとなしく牢を開けるか?」
男に凄む。
「へへっ!旦那…冗談ですよ…」
男は服の中を探り、鍵を取り出した。
「これが牢の鍵です旦那」
サグアがそれを受け取ろうとした瞬間!
「サグア!後ろ!」
ゴッ
鈍い音がしてサグアが倒れた。
もう一人の男がいつの間にか起き上がり、サグアを後ろから殴り倒したのだ。
「ははは、馬鹿ばかりだな。これでゆっくり宝探しができる」
二人組は不敵に笑い、倒れているサグアに蹴りを入れると部屋を出て行った。




