そして、鮮血へ8
アタシ達は階段の左側の部屋に入った。
あれ?
この部屋は特に何もないのか。
さっきの部屋は生活感すらあったのに、この部屋はただの廃墟。
長く人の手が入っていないのがよくわかるくらい荒れ放題。
カーテンは破れてぶら下がり、窓は割れ、机や床には本などが散乱し、その上にも埃がつもって酷い有様。
部屋の中には机と椅子、本棚など一通り家具が置いてある。
昔は何の部屋だったんだろう。
グルッと部屋を見回し、特に何もなさそうなので部屋を出ようとするとサグアが「ん?」と止まった。
「どしたの?サグア?」
「床を見てみろ」
見ると、厚くつもった埃に何かを引きずった跡がある。
二本のスジ。
椅子の足とつながっている。
サグアが椅子をどけると、そこには下への階段が現れた。
床の埃の跡を見る限り、最近誰かがこの椅子を動かしている。
アタシ達はアイコンタクトをとり、シュウドを先頭に階段を降りた。
階段を降りきると、不思議な光景に当たった。
ここは廃墟の古城。
なのに、壁の燭台のローソクに火が灯っているのだ。
あの二人組か?
アタシは剣を抜く。
足音を忍ばせながら歩いて行くと、話し声が聞こえて来た。
間違いない。
あの二人組だ。
「スカッとしたな!あの小僧、これで懲りただろう」
「あぁ、俺たちに逆らうから痛い目をみるんだ」
部屋を覗くと、あの二人組が椅子に座って話している。
ここは元々地下牢だったようだ。
スキュラの姿を探すと、牢の中につながれている。
…扱いが酷すぎる!
でも、無事みたいだ。
様子を伺っていると、二人組の一人がスキュラを見ながら下品な笑い声を上げた。
「人質が綺麗な女で良かったぜ。楽しみもできるしな」
ニヤニヤいやらしい笑みを顔に浮かべて牢に近づく。
その顔を見て、スキュラは嫌悪感でいっぱいの表情を浮かべた。
男が牢に入ろうとしたところで、アタシ達は部屋に飛び込んだ。
二人はアタシ達を見て固まる。
「ど、どうしてここが…!?」
その質問を無視して、シュウドがゴキゴキと骨を鳴らす。
「おめーら、覚悟しろよ?」
男は急いで牢を開けようとしたが、シュウドは素早く近づいてそれを阻止する。
またスキュラを人質に取られたらたまらない。
そのまま男の腹に蹴りを入れ、顔面を蹴り飛ばす。
男は派手に床に転がった。
「くそっ!」
もう一人の男が拳を振りかぶりシュウドに襲いかかる。
シュウドはその攻撃をヒラリとかわすと、身体を回転させて回し蹴り。
男は腹をおさえて地面にうずくまった。
「おい、鍵だせ」
シュウドが男の胸倉を掴みながら言う。
男はポケットから鍵を出してシュウドに渡した。




