そして、鮮血へ3
食事を終えたアタシ達は、情報収集とばかりに街へ出た。
そして行く先々で言われるのは「若い娘がここにいちゃいけない」という台詞だった。
どうやら、ペンシーバニー王の伝説はそれだけ信じられているらしい。
それもそのはず。
そもそも、いまこの街に住んでる人で、代々ここに住んでるなんて人はいないらしい。
そうだよね。
女の人が住めないんじゃ発展しようがない。
じゃあここに住んでる人達は何者なのか?
答えはトレージャーハンター。
ペンシーバニー王の伝説の中に出てくる財宝が目的。
独り身の者もいれば故郷に家族がいる者もいる。
ペンシーバニー王の伝説が嘘だったらここにいる理由が無くなってしまうもんね。
ペンシーバニー王の伝説が信じられ、トレージャーハンターが集まる理由もある。
あの古城にトライした生存者はいない。
古城に向かったきり帰ってこないか、一度臆病な人物が古城の前で干からびた死体を見て城に入らず逃げ帰ってきた事があるそうだ。
その死体は、前日に向かった男だったという。
たった一日で、カサカサに干からびていた?
どこまで真実かはわからないし、尾ひれはついてるだろうけど一つ確実なのは『何かある』って事。
その『何かある』が未だにトレージャーハンターをこの街に集めている。
「チャレンジ…してみない?」
一日歩き回り、情報収集をして、宿屋の自室に帰ったアタシ達。
聞けば聞く程楽しそう。
アタシはチャレンジを提案してみた。
「ルンミイさん!そんなお化け屋敷にわざわざ殺されに行く必要は無いと思います!」
イパスルが珍しく猛反発する。
そんなに『お化け』って単語がダメなのか。
「だがイパスル、今日聞いた話を総合すると魔物の匂いがしないか?」
サグアが言う。
そうなのだ。
アタシはお化けなんて信じないけど、それが魔物の仕業だっていうならリアリティがある。
そして、伝説を上手く使って人間を殺している魔物がいるなら…そんなの許せない。
アタシはそれから小一時間を、イパスルを納得させるのに使った。
そして、昼間に行く事を条件に話がまとまった。
話がまとまった所で夕飯。
アタシ達は宿屋の食堂の席についた。
すると、隣のテーブルにいる屈強な男二人組の会話が聞こえてきた。
彼等は、怪物なんて嘘だ、宝は俺達が手に入れると豪語しながら麦酒をあおる。
そして、宿屋の主人にお金を投げるように渡すと、残りは財宝で払うと言って出て行こうとする二人組。
「それは困ります」
二人組は食い下がる主人を突き飛ばす。
見かねて、シュウドが二人組に近づいた。




