悪霊の鏡13
偽のローマン王の身体がどんどん変化していく。
筋肉がもりあがり、頭部が牛のそれになる。
「がぁぁぁぁぁぁ!!!!」
一声、吠えた。
牛の頭に人間の体。
ミノタウロスだ。
「この俺様の正体を知った事、後悔しながら死ね!」
ミノタウロスが合図を送ると、衛兵に化けていたゴブリンが襲いかかって来た。
アタシとシュウドは前にでて迎え撃つ。
「オラァ!」
ゴブリンを蹴り飛ばした。
アタシも剣を振り、ゴブリンを仕留めていく。
「ぬう…。ではこいつはどうだ!」
ミノタウロスがいうと、玉座の下から粘度の高い液体のような何かが溢れて来た。
その液体は、アタシを包み込もうとするように飛びかかってきた。
「ルンミイ!気をつけろ!スライムだ!」
サグアが叫ぶ。
アタシは剣を横一文字に振ってスライムを切り裂いた。
まるで空を切るように手応えがまったくない。
割かれて二つに分かれたスライムは、それぞれ個々に活動しだした。
なにこれ!?
気持ち悪い!
シュウドは突きや蹴りの連撃をしかけるが、まるで水を殴っているように表面がたわむだけ。
まるで効果はなさそう。
「クソッ!」
シュウドはたまらず距離を取る。
同時にアタシもスライムから離れた。
すると二つに分かれていたスライム同士が重なり合って、しばらく伸びたり縮んだりしてたかと思うと、一つの個体になった。
「ははは!スライムに喰われてしまえ!」
ミノタウロスが叫ぶ。
それが合図だったかのようにスライムがこっちに向かって来た。
ゴブリンの死体の上をスライムが通過する。
後には、ゴブリンが着ていた服だけが残った。
スライムに喰われるって、そうゆう事?
嫌すぎる。
「これなら!どうだ!」
サグアが炎の束を発した。
スライムに直撃する。
スライムの一部が燃える。
と、スライムは燃えた部分だけ切り離した。
切り離された部分は、剣で切った時と違い活動しない。
完全に炭化している。
やつら、火に弱いの?
しかし、一気に燃やし尽くさないと、今みたいにダメージを受けたところだけ切り離してしまうようだ。
それなら…
アタシはスライムの前に立ちはだかり、剣を振るった。
スライムが二つになり四つになり八つになり、だんだん小さな個体に分かれていく。
「サグア!!!!」
アタシが叫ぶと、意図を理解したサグアが炎の束を発した。
小さく分かれた個体にはひとたまりもない。
スライムはここで燃え上がり、やがて燃えかすだけが残った。




