悪霊の鏡12
祠はとても簡素なもので、奥に鏡が祀られていた。
「これが真実の鏡です」
ヒポルは静かな声で言った。
アタシが手を伸ばすと、鏡が威嚇するような光を放つ。
思わずアタシが手を引くと、ヒポルが不思議な言語で何かを発した。
すると、光が収まる。
「封印をときました。これで、手を触れる事ができます」
もう一度、アタシは鏡に手を伸ばす。
今度は光は放たれず、すんなり手に取る事ができた。
鏡を覗き込むと、そこにはアタシが写っている。
何者でもない、アタシ。
よかった。
違う何かが写ったらどうしようかと思った。
「真実の鏡に写せば、真実の姿が移ります。私達は村で計画の成功を祈っています。ご武運を」
ヒポルとサガーは仰々しく頭を下げた。
さて、作戦開始だ!
サガーに森の道順を聞いたので、今度は王都ローマンまで最短で来れた。
と、中央の広場に人だかりができている。
アタシ達は人波に紛れながら中央に近づいて行く。
すると、
「王への不敬罪で絞首刑が言い渡された罪人だ!」
処刑人に連れられて来たのは、イパスルと道具屋のおじさん!?
まだ期日まで時間があるのに!
「これから、刑を執行する」
イパスルとおじさんの首にロープがかけられた。
そこで、限界。
サグアが炎の矢を放ち、ロープを切った。
「何奴だ!」
「まだ期日まで時間があるはずだけど、どうゆうつもり?」
アタシはでき得る限り冷酷に言った。
すると、偽のローマン王が姿を現した。
「戻ったのか。いやなに、お前達が戻らんと踏んで、処刑をしようとしただけだよ」
あっけらかんと言う。
「なっ…!」
アタシは怒りに震える。
「この者達を玉座の間へ」
「はっ!」
偽のローマン王は城に姿を消す。
残されたアタシ達も、引っ立てられるように城に連れ込まれた。
玉座にふんぞりかえるように座る偽のローマン王。
アタシ達はその前に並ばされる。
イパスルとおじさんもいる。
「で、悪霊の鏡は破壊したのか?」
「えぇ…。」
「では、その証拠を見せるがよい」
アタシはニヤリと笑う。
「これが証拠よ!!!!」
アタシは真実の鏡を偽のローマン王に向けた。
鏡に写る姿は、人間ではない魔物の姿。
続けて、偽のローマン王の外見が溶けるように崩れて行く。
「オノレ…ヤリオッタナ…」
続けて、アタシは衛兵も鏡に写した。
やはり、魔物の姿が写り、外見が溶けるように崩れて行く。
驚いて逃げ惑う兵士や家臣。
彼らは騙されていた人々。
「詰めが甘めーんだよ、化物!」
シュウドが笑いながら言う。
「許サン…許サンゾ…」
偽のローマン王が、その正体を現した。




