悪霊の鏡11
ローマン王は、チャンスを伺っていた。
あの魔物から、王都を取り戻すチャンスを。
しかし、偽者はもちろん、その周りの衛兵も魔物が化けている。
うっかり捕まったらもちろん、騙されている家臣達も、自分をみたらこっちを偽者として捉えるだろう。
捉えられたら終わりだ。
ドワーフ達は協力を申し出てくれた。
しかし、彼らは元々戦闘が得意な民族ではない。
ただでさえ自分をかくまってくれた。
これ以上、巻き込んで迷惑はかけられない。
この機会を半年待った。
この半年で、かなり悪い噂ばかりを聞いた。
そんな折、冒険者が祠の守り人の村に現れた。
初めは、あの偽者が自分を亡き者にするために派遣した魔物かと疑った。
ヒポを助けたと言うが、それだけでは自分の正体を明かす根拠にかける。
だからこそ、真実の気持ちを取りにいかせた。
その存在は、ヒポルに聞いて知っていたし、サガーが上手い事彼女らを疑ってくれたので、その話は自然に切り出せた。
そして、彼らは真実の気持ちを手にいれて来た。
つまり、信用に値するという事だ。
そこで、兼ねてより考えていた計画を打ち明けた。
真実の鏡を使い、魔物の正体を露見させ、これを退治する。
真実の鏡は魔法の鏡。
真実の姿を写し出す。
真実の気持ちを手にできた冒険者だ。
聞けば、ニシノを救ったのも彼女らだという。
噂では魔物のせいでヒヒイロカネの採掘ができないと聞いていたが、その魔物を退治したらしい。
それならば、この一件を任せられるのではないか。
彼女らに、かけてみよう。
アタシ達は、ローマン王から計画を聞いた。
祠に祀られている真実の鏡を使い、偽者の正体を暴露し、これを退治する。
魔物が退治できれば、苦しんでいる王都の人達も救われる。
やるしか、ない!
サグアもシュウドもスキュラも異論はないようだ。
「さっそく、祠にご案内しましょう」
ヒポルが言う。
時間が惜しい。
アタシ達は祠に向かい、そのまま王都ローマンに向かう事にした。
「本当に、俺たちは行かなくてもいいのか?」
サガーが言ってくれたが、丁寧に断った。
ドワーフ達は戦闘民族じゃないし、魔物達との戦闘になった時、自分たち以外の身まで守れるかわからないからね。
「それじゃ、ローマン王、行ってまいります」
「頼むぞ!」
アタシ達はローマン王に別れを告げ、ヒポルとサガーに祠への案内をお願いした。




