悪霊の鏡06
アタシ達は、東の塔の前にいる。
そんなに大きくない、一見なんの変哲もない塔だ。
ここに、『真実の気持ち』があるらしい。
ヒポとヒポルの話によると、この塔は邪な心があるとのぼれない。
更に、出る事も出来ず塔の中で朽ち果てる運命にある。
そして同時に、のぼる者の「のぼりたい!」という気持ちが試されると。
それだけ、『真実の気持ち』を証明するのは大変な事だということらしい。
ヒポはしきりに「ルンミイさん達なら大丈夫です」と繰り返していた。
それはまるで、己の不安を消すために発した言葉にも聞こえたけど。
息子を助けた恩人、しかしサガーの言葉も気にならない訳ではない。
ヒポルはとても複雑な顔をしながら、アタシ達に塔の話をしてくれた。
さて、時間も無い。
サクッと真実の気持ちを手にいれて、イパスルを助けなきゃ。
「みんな、準備はいい?」
「ああ」
「大丈夫です」
「行こうぜ!」
みんな不安が顔に出てる。
そうだよね…
邪な心なんて、アタシはあるつもり無いけど何がそう判断されるのかわからない。
不安にもなる。
シュウドは自分の不安を消すかのように、先頭に立って塔の扉を開けた。
ギギギギギギ…
重く錆びついた音をさせながら扉が開く。
中は真っ暗。
しかし、アタシ達が一歩足を踏み入れた瞬間、灯がともる。
壁に燭台があったのだ。
それに、勝手に灯がともった。
と、
バターンッ!!!!
扉が、勝手に閉まった。
「ルンミイさん!扉が開きません!」
スキュラが扉を押したり引いたり叩いたり、色々しているが扉はびくともしない。
「これは、先へ進めって事か」
「へっ!ありがちだぜ!こんなの!」
「とにかく、先へ進もう」
道は一本道で、なだらかにのぼり坂。
しばらく歩いていると、大きな部屋に出た。
え?
この部屋、床が無い。
向こうに道がある。
その間の床が無い。
しかも、そんなにのぼってない筈なのに、奈落の様な穴だ。
「…どうしよう?」
アタシは困惑のあまり、皆が考えているだろう事を思わず口にしてしまった。
「どうするもこうするも…」
シュウドは辺りの壁や何かを調べたが、壁をつたって…とかは無理っぽい。
アタシはとにかく穴の淵まで行ってみようと、足を踏み出した。
コンッ
足元に落ちていた石を蹴ってしまう。
すると、
コンッコンッコンッ…
穴の上で石がはねた!
「まさか…ね」
アタシは穴に一歩踏み出す。
「ルンミイ!気でも違ったか!?」
後ろでシュウドが叫んでいる。
なんと、アタシは穴の上に立っている。
「!!!!」
皆の驚いた顔がおもしろい。
どうやら、この穴は魔法の一種で穴に見えているだけで、本当は床があるみたいだ。
アタシ達は穴を渡り切ると後ろをみてみた。
案の定、穴は消えてそこには普通の床があった。
…、初めからこんなトラップなんて、先が思いやられる…、




