02
アタシはふと気付いた。
この階は上の階に比べて薄暗い。
「ねぇ、なんか暗くない?」
「そうだなぁ。上の階みたいな明るさはねぇな。でも暗くて足下も見えねぇって感じじゃねぇから大丈夫じゃねぇか?」
確かに暗くて進めないって程ではない。
だけど、明るい所から薄暗い所にくると若干不安になる。
気持ち、慎重に進んだ。
横から魔物が飛び出して来るとか嫌だし。
そんなアタシの考えは無視して、シュウドは身軽に進んでるけど。
と、先頭をヒョイヒョイ進んでいたシュウドが立ち止まる。
「どうしたのシュウド?」
「ザコがおいでなさったぜ」
見ると四つの影。
ゴブリンが三匹と一回り大きいゴブリンリーダーだ。
まさか…こいつらもさっきのヤマジンみたいに操られてるの…?
「シャーーー!!!!」
威嚇するような声を発しながら、二匹のゴブリンが飛び出してくる。
アタシは素早く剣を抜く。
シュウドがフェイントをかけ、攻撃をワザとよけさせてアタシが一刀両断。
すかさず回し蹴りでシュウドがもう一匹を壁に叩きつけた。
骨の折れる嫌な音。
このゴブリン共は立ち上がる様子がない。
「こいつらはただのザコみてぇだな!」
ゴブリンに知能なんてない。
圧倒的な力の差があっても、恐怖なんてない。
だからこそタチが悪い。
残りの一匹がシュウドに真っ向から挑んでいく。
鋭い爪で確実に急所を狙っている。
ヒラリとそれをかわしたシュウドは腹に蹴りを入れ動きを止め、顔面を蹴ってアタシの方に飛ばしてきた。
アタシは飛んできたゴブリンを地面に叩きつける様に切り捨てた。
残るはゴブリンリーダーのみ。
「グルルルルル…」
こちらを威嚇している素ぶりを見せていたリーダーがいきなり横の壁に消えた。
「なに?!」
アタシ達はその壁に駆け寄ったが、いくら調べてもただの壁。
触っても叩いても斬りつけても何も起こらなかった。
「なんだぁ?今の…」
「確かにこの壁に消えた…よね?」
アタシとシュウド、イパスルが首をかしげている中、サグアだけは倒したゴブリンの死体を調べていた。
「おそらく、何らかの『鍵』の様な物があるばずだが…」
ふと、サグアの手が止まった。
「何か見つかりましたか?サグアさん?」
「三匹ともこれを持っていた。多分これが鍵なんだろう」
サグアはこちらに何かを投げてよこした。
アタシ、シュウド、イパスルが一つづつキャッチする。
それは掌にすっぽり収まるくらいの硝子のような透き通った玉で、中に羽根の様な物が入っているのが見える。
試しにその玉を持ったまま壁に近づいてみた。
すると、アタシの身体はまるで水に入る時の様に壁の中に吸い込まれた。
「あのバカ!先に何があるかわからねぇのに!」
シュウドは自身も壁に吸い込まれる。
その場には、イパスルとサグアが残された。




