悪霊の鏡02
「飯だ!」
人数分、小さなパンと具が一切入っていないスープが届けられる。
「こんなんじゃ腹一杯になんねーよな…。ルンミイ、これからどうするよ?」
そんな事、アタシが聞きたい。
「俺の魔法やスキュラのパワーを駆使して無理やり出る手もあるが…あまり得策だとは思えんな」
そう。
無理やり出る手が無いわけではない。
しかし、ここは王都ローマン。
そんな事をすれば一斉に手配書がまわり、お尋ね者。
そんな生き方はゴメンだ。
でも、縛り首なんてもっとゴメンだしな…。
今日で牢屋生活も三日目。
ジャンケンして負けたら腕立て伏せゲームもいい加減飽きた。
「だああああああ!また負けた!」
何故かイパスルはジャンケンが異様に強く、負けず嫌いのシュウドは何度も挑むが、その度に腕立て伏せしている。
そんな時、牢屋に近づいて来る足音が聞こえて来た。
ガチャンと鍵を開ける音。
続けて「出ろ」と警備兵がアタシ達に命じた。
玉座の間。
ローマン王の前に出される。
「そなたらの処遇が決定した。三日間猶予をやる。鏡の祠に行き『悪霊の鏡』を破壊して参れ。さすれば、絞首刑は許してやろう」
悪霊の鏡?
そんな事でいいの?
「ただし、逃げぬように人質を取る。道具屋の店主、それからその女だ」
うむをいわさす、道具屋のおじさんとイパスルが引っ立てられて行った。
「三日間は奴らの命は保証しよう。ただし、三日目の日没に間に合わなかったら、その時は…わかっておるな?」
ローマン王は意地悪く笑う。
「祠の近くに、祠の守り人の村がある。そこで祠に案内してもらうがよい。ただし、奴らは悪党だ。騙されるなよ。話は以上だ」
アタシ達はお城から追い出されるように外へ出た。
「とにかく、祠の守り人の村を目指そう。ルートは…」
アタシは地図を開く。
王都ローマンのすぐ目と鼻の先に『闇夜の森』と呼ばれる森がある。
地図で見る限り、この森を抜けてすぐの所に鏡の祠があり、守り人の村があるようだ。
しかし、この森の中では色々と不思議な事が起こるという話だ。
モンスターも住み着いている。
だけどこの森を迂回してたら、とても三日じゃ間に合わない。
「闇夜の森を突っ切るよ!」
「それしかないだろうな」
「やりましょう!」
「不思議な森なんて、おもしれーじゃねぇか!」
一致団結。
とにかく、イパスル(と、道具屋のおじさん)を救うために一秒も無駄にできない。
アタシ達は、闇夜の森に足を踏み入れた。




