12
光の中で、キングの姿が縮んでいく。
「おぉぉぉぉぉぉぉ…」
光が収まると、そこには片腕を失い、腹に大穴が空いた老人の姿があった。
もう虫の息だ。
「ま、魔法士…、と、トドメを刺してくれ…」
老人は、息も絶え絶えに言う。
一瞬、イパスルやスキュラに聖法をかけてもらおうかと二人を見たが、二人は黙って首を振る。
怪我が重すぎる。
「ま、魔法士…」
「…」
サグアは無言で老人の頭に手を乗せる。
「せめてもの、情けだ」
パァンと、弾け飛ぶ音。
サグアはしばらくそのままの体勢でいたが、不意にアタシ達の方を向いた。
「この中になにかあるのは確かだ。行こう」
覚悟を、決める。
中に入ると、そこは広い部屋になっていて、入口から真っ正面の所に玉座があった。
そして、その玉座に何者かが座っている。
アタシ達が様子を伺っていると不意に、
「よくここまで辿り着いた。褒めてやろう」
向こうから声をかけてきた。
その瞬間、玉座の左右にあった松明に火が灯り、玉座に座る人物の姿が浮かび上がる。
「あ…あいつは…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
スキュラはその人物の姿を認識した瞬間、身体に異変を起こす。
形が変わる。
あの、化物の姿に。
「お前は!ジェネラルホーク!みんなのカタキ!!!!」
スキュラは怒りのこもった叫び声をあげると右手を前に突き出した。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
鋭い水流の水の束が発せられる。
その水の束は、玉座の背もたれを砕いた。
ジェネラルホークは、座ったまま少し身を傾け、アッサリ水の束を避けていた。
ん?
砕けた背もたれの後ろに何かある?
あれは…剣?
まさか、あれが??
アタシがそんな事を考えている横で、スキュラが倒れた。
女性の姿に戻っている。
「イパスル!」
アタシの声と同時にイパスルがスキュラに駆け寄る。
「大丈夫ですルンミイさん。一気に法術を使ったので、貧血を起こしたようです」
アタシはホッと胸をなで下ろし、ジェネラルホークを睨む。
「アンタが黒幕?」
「黒幕…?確かに、この洞窟を占拠したのは、このジェネラルホークだがな」
ジェネラルホークは不敵に笑う。
「せっかくここまで来たんだ。少し相手をしてやろう」
玉座に尊大に座ったまま、ジェネラルホークが言う。
「舐めんな!!!!」
シュウドは一気にジェネラルホークまでの距離をつめ、その顔面に蹴りを放つ。
「…ふん」
相変わらず座ったまま、ジェネラルホークは片手で蹴りをガードすると、その手でシュウドを突いた。
後ろに吹っ飛ぶシュウド。
上手く受け身をとり、腹を抑えながら立ち上がる。
「意外と頑丈ではないか」
「くっ、この野郎…」
「遠慮する事はない。全員でかかって来たらどうだ?」
「じゃあ、お言葉に甘えましょうか!」
アタシは剣を構え、サグアもジェネラルホークを見据える。
その人を舐め切った態度、後悔させてやる!!!!




