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年齢制限するほどではありませんが、微エロです。
「カナちゃん、すごかったわよ。ソロ!」
礼拝のあと、子猫のように彼方に擦り寄ってくる美笛。
「ありがとう美笛。」
彼方は美笛に優しく微笑みかけた。
今までなら、ここで美笛の頭を撫でたりしていた。
しかし、最近美笛に触れることが恥ずかしくなっていた。
美笛のことは妹のように可愛く思っている。
最初はそれほど仲良くなりたい、とは思わなかったのだが。
美笛のドジと内気さは彼方の母性をくすぐった。
よく楽譜で指を切ってしまう美笛。
痛いと呻く彼女の指に唾をつけてやったりして。
放って置けなくて、あれこれ構ううちに、
美笛は彼方の心の一部になっていった。
しかし、彼方は美笛を純粋に「可愛い」と思っているだけではないことに気づくことになる。
それは夏休みの合宿のことだった。
合宿所は山の教会。
夏だというのに、気温は15度を下回っていた。
深夜、彼方は寒さで目を覚ました。
脂肪が少ない彼方は比較的寒さには弱かったのだ。
(本当に夏かよ…。)
そんなことを思いながら、独り、体を起こした。
山の空気は澄んでいる。
天窓から覗く月や星が美しかった。
ふと、隣で眠っている美笛が目についた。
彼女はぐっすり眠り込んでいた。
(よくこんな寒い中、寝てられるよな…。)
この日の昼間は、講師から美笛の指導を頼まれた。
未だに正確な音程がとれない美笛のために。
彼方は絶対音感を持っているし、ピアノも得意なので講師の助手のような存在だった。
(君ももう3年なんだから、しっかりしなきゃ駄目だよ…。)
彼方は月光に輝く美笛の黒髪を指に巻いていた。
(いいな…僕も黒髪がよかった。)
よく友人たちに鳶色の髪を羨ましがられるが、
彼方からしたらコンプレックスの一つだった。
なぜなら、赤毛には似合わない色が多い。
髪から指を離すと、
今度は美笛の寝顔をじっと眺めた。
昼間のおどおどした感じとは違う雰囲気。
(どんな夢を見ているのだろう…。)
…無意識に美笛の頬に触れていた。
(温かい…)
彼女の体温が指を伝って全身に流れ込むような感覚。
彼方は体の芯から熱いものが溢れ出てくるのを感じた。
なぜか息も苦しくなってくる。
喉が渇く。
(美笛…)
思えば、これが最後の合宿だ。
彼方たちの高校は大学の付属校だが、エスカレーター進学する生徒は5%に満たない。
卒業したら、美笛と離れ離れになるのだろうか?
もしかしたら彼女は中国へ帰るかもしれない。
そう思うと彼方の胸はキリキリ痛んだ。
(どうしてずっとこのままでいられないんだろう…。)
このまま、17歳の少女のままでいられたら…。
(美笛…頼むから、ずっと僕の傍にいて…)
引き付けられるように顔を近づけると
そのまま美笛の唇に唇を重ねていた。
…
次の瞬間、我に返り、慌てて唇を離した。
自分は一体何をやってるんだ。
(何てことをしてしまったんだ!僕は!これが女友達にすることなのか!?)
美笛はまだ安らかに眠っていた。
その寝顔を見ながら彼方は自己嫌悪に陥った。
(僕は最低だ!純粋な美笛を汚した!最低!)
翌朝、割と器用な彼方は何もなかったように美笛に接した。
しかし、あのショックは治まるわけもなく
彼方の胸の奥で燻り続けた。
当然のことだが、それから美笛の顔を見るたびに胸が痛む。
妹のように思っていた美笛を
いつの間に「そんな目」で見ていたのだろうか、と
罪悪感いっぱいの彼方だった。
続きます。




