㉖
小さな墓地の真ん中にある桜の木に寄り掛かりながら眠った夏男。真夏のうなだれる暑さの中で熱気に歪んだ夢を見る。夏の夜に緑の葉が生い茂る桜の木が、夏から春へと時を戻すかのように薄紅色に色づき始め、美しく咲き戻ってはその淡い姿を誇ろうとする。そして満開に咲き誇った後、夜空の下で桜の花びらは儚く美しく散っていった。まるで夏夜に咲く花火のようだった。季節感が全く噛み合わない夢だったが、夏に桜が舞い散る姿を見て夏男は、母との思い出に触れた。胸がぎゅっと締め付けられた。
☆・・・が朝の光を浴びはじめては夜の闇に輝いたその眩しさを消していく。
目を覚ました時には、目の前に井伊がいた。少ない小遣いで買ったであろうコンビニのクリームパンをその手に持っていた。
井伊は、「ごめんな、ドッグフードじゃなくて。八十円のクリームパンしか買えないんだ。パン食べれるか?」と夏男の目を見ながら言った。
夏男は、尻尾を振って「ありがとう」と生まれて初めて感謝の気持ちを素直に表現した。
ドッグフードじゃなくたって構わない。別に八十円だろうが、何円だろうが構わない。思いやりが何より嬉しい。夏男は、井伊の思いやりのこもったクリームパンを一口一口噛み締めながら食べた。井伊は、リュックの中から水筒を取り出し、コップに牛乳を注いだ。
「これで、栄養取って、カルシウム取って、イライラせずに元気に生きていこうな」と夏男に言う。夏男は、その牛乳を本当においしそうに飲み干した。夏男は井伊の前では自分が人面犬であることを忘れることができた。睨まずに井伊の目を見れたことで、井伊の友情を受け入れられたような気がした。昨夜、ラブラお化けの長さんが言っていたことが心に響き直す。
「また夜来るからな。夏期講習の帰りに来るから」
そう言って、井伊は自転車を漕いで、鎌倉駅前の進学塾へと戻っていった。井伊が山を下っていく後ろ姿を夏男は見つめた。鎌倉山を下っていく姿は軽快に見えるが、急な坂道が続く鎌倉山をパンと牛乳を届けるために自転車を押して登ってきてくれた井伊の優しさが胸の奥に余韻として残る。井伊が去った風景に小さな寂しさが生まれた。寂しさを否定し続けて生きてきた夏男にとっては、それを受け入れることはとても恥ずかしいことのように思えた。
☆
夏男は一人になり、深く考え込むように大きく深呼吸をした。生暖かい空気を肺いっぱいに吸い込み、ゆっくりと吐き出した。
夢に見た桜が散ってゆく姿を思い出した。そして夏男は母ちゃんのことを懐かしく思った。
母ちゃんはまだ鬱に苦しんでいるのだろうか。今頃、鬱をごまかしながら、生きていくためだけに、いつもと変わらずスーパーで機械的にお惣菜を作っているのだろうか。繰り返す日常に疲れ果てて未来を夢見る気力もなく、過去にすがり部屋に転がっているサーフボードを撫で回しているのだろうか。
あまり薬を飲みすぎないで欲しいと思う。精神安定剤も睡眠薬も・・・・母ちゃんの命を削っているようで怖い。
会いに行きたいが、人面犬の姿で夏男が目の前に現れたら、母ちゃんをまた泣かせてしまう。どうにもならない現実の空気が体感温度40度以上の熱気でもって夏男を蒸す。夏男は喘ぐ・・・・。
桜の花びら・・・・夏に散る・・・・。
夏男が、胸の奥に大切に隠し持っている母ちゃんとの思い出。
夏男がまだ小さかった頃、母ちゃんは少し欝っぽくはあったが、それを夏男の目の前では見せなかった。
どんなつらいことがあっても母ちゃんは、夏男の前では頑張って笑っていた。
例え、夏男が学校で問題児として扱われていても・・・・。
そんな母の笑顔と共に思い出すのは花火・・・・。まだ小さかった頃、夏男は母と二人で浴衣を着て、由比ガ浜で打ち上げられる鎌倉花火大会を山の上から一緒に見ていた・・・・。
夢に咲いた夏の桜はそんなことを思い出させた。
☆
「夏男、虫除けスプレーしたの?」と慌しく浴衣に身を包む母ちゃんが夏男に言う。
浴衣を着た母ちゃんは本当に艶やっぽかったのを夏男は覚えている。若かりし日に海で焼けた肌が色落ちしたすこしシミになっている肌が、むしろ真っ白でけがれ泣き美白肌よりも少しはだけた首元をどうしようもなく色っぽくする。夏男は、母ちゃんが浴衣を着る花火大会の日が一年で一番好きだった。
「したよ」と夏男は、母ちゃんに愛想なく答える。花火を母ちゃんと一緒に見れるのが嬉しいのに、それを隠すように無愛想に夏男は振舞った。
「じゃあ、母ちゃんの腕にも虫除けして」
「やだよ。自分でやれよ」と夏男は照れを隠すように言い返す。母ちゃんの腕は日焼け止めを塗り重ねた歴史が積み重なった遺跡みたいだったが、それなりに白くてきめが細かくてキレイだった。
「そんなつれないこといわないの。子供に虫除けスプレーされる母親ってのは幸せなものなのよ。あああ、私は息子がしてくれた虫除けで蚊からこの罪深い体を守られているんだわって・・・もの凄く感じちゃうんだから。あはははは、可愛い息子をからかっちゃって、馬鹿ね、私も。でも、夏男、ちょっとした親孝行しなさいよ。ほら、虫除けして」と母ちゃんは暑苦しい夏空に愛された少しシミが残る白い腕を出した。小学生の夏男は堪忍したように照れながら母ちゃんの細い腕に虫除けスプレーをした。
「あああ、いきそう。あまりに幸せで・・・嬉しくて。こんなに私を感じさせてくれる男は世界でもたった一人、息子の夏男だけね。どんなイケ面に求愛されても夏男への愛を貫く自信があるわ。どんな男より愛しいんだもん」と言いながら、母ちゃんは官能ポーズを取る。母ちゃんがふざけて、お茶目なことをする度に夏男の顔は耳の先まで真っ赤になる。
「ああ、それにしても夏の男の母がこんなにシミだらけの白い肌してちゃ駄目だね。これじゃあ雪解けあとのちょっと黒ずんだ雪の冬男の母よ。昔はイカした小麦色で、鎌倉近辺じゃマドンナの異名を取った美しき夏女の私だったのにね」と母ちゃんは昔を思い出し、少しメランコリックになる。小さな声で自分に言い聞かせた言葉を胸元に引き戻して過去を遠い目で見つめる母の横顔。そんな母ちゃんの顔を見ると、幼かった夏男の心には、なぜだか寄せては返す波の音が響いた。
母ちゃんと夏男は手を繋いで山に登っていく。母ちゃんは右手に持った団扇で自分と夏男を交互に仰ぎながら、夏男の手をしっかりと左手で握って山の斜面を登っていく。
「手、繋がなくていい」と夏男が恥ずかしそうに言うと、「馬鹿ね、手を繋がないとあんた迷子になるでしょ。母ちゃんは、夏男が迷子になったら悲しくて泣いちゃうからちゃんとあんたの手を繋いでるのよ」と鬱子は息を切らして斜面を登りながら、額に汗を滲ませた。だけど、夏男を見つめる母ちゃんの顔は爽やかな笑顔だった。
山からは草木の匂いが青々しく香って、その笑顔をあの頃嗅いだ匂いとともに夏男は思い出せる。昔から、たった一人の家族の・・・・・本当は優しくてお茶目な母ちゃんを馬鹿にする奴等が許せなくて、何度も喧嘩して、噛みついて、睨みつけて、吠えまくり、小さな家庭を守ろうとした夏男は、人面犬になった今、鎌倉山の夏桜の木の下で夢の名残りを感じながら・・・そんな昔の事を思い出していた。
由比ガ浜の空に咲き誇る花火があまりに美しくて、幼かった夏男は言葉を見失ったことを覚えている。
打ち上げられた花火は、夏の夜空に一瞬の夢を咲き誇らせ、儚く散って、闇の中へと枯れていく。一発、一発の花火が闇に消えてしまう度に、母ちゃんは夜空を見つめながら夏男の小さな手を強く握り締めた。
最後の花火が打ち上げられ、夏夜に枯れていく美しき花火の儚い散り際を見届た後、母ちゃんは必ず夏男の目線まで身をかがめて、夏男の目を真っ直ぐに、涙を溜めた瞳で見つめながら「夏男、たった2人の家族だけど、頑張って生きていこうね」と震える声で言った。
夏男は、母の瞳の美しさに惹きいれられ、「うん」と喉の奥が母に気持ちを伝えたがっているのを感じた。でも、なぜか恥ずかしくて、「うん」とは言えずに、虫に噛まれたふりをして、手をかきながら、涙目の母を真っ直ぐ見つめ、「痒い」と言って答えた。そう言うと母ちゃんは優しく笑い、その胸にしっかりと小さな夏男の体を抱き寄せた。
母の心臓の鼓動が夏男の心に響いた。夏の花火の余韻がそんな二人を包み込む。幼い頃、夏が来るたびに夏男は母に強く抱きしめられ、この小さな家族を絶対俺が守り抜いてみせると心の奥に強く誓った。
夏男は鎌倉山の墓場の真ん中で人面犬になってからの日々を指折り数えた。なんだか夕立の後のような妙に湿っぽい気分になっては鼻水をすする。
来週は鎌倉の花火大会。人面犬になった夏男は、母ちゃんとともにいた・・・・家族とともにあった・・・・思い出に浸り、溺れてしまいそうになった。
☆
悪魔が治してくれた体の傷は完治している。
クリームパンに牛乳、腹持ちはいい。
そんな満たされた状況で、鎌倉山の小さな墓地での生活に暇を持て余した夏男は、路地裏に散歩に出た。今までより少し体に圧しかかる空気が軽くなっているような気がする。艶やかに茂る夏の雑草の匂いを鼻の奥で強烈に感じた。足の裏に感じるアスファルトは熱を持ち、日向を歩いている自分に気づく。
表通りの夏の熱気を避けるようにして道の影を歩き始めると、どこからともなく夏男の耳に少女の泣き声が聞こえてきた。混じりっけのない純粋な泣き声だった。
夏男は、その泣き声の出所を探した。途切れ途切れのその泣き声に耳を澄ませ、聞こえてくる方角に夏男は足を進めた。そして寂れた小さな公園のブランコに行きつく。
幼稚園児だろうか・・・・。小さな体を震わせ泣いている少女がいる。涙を小さくて愛らしい手で拭っている。その女の子に寄り添うようにして首輪のないフレンチブルドックが一匹、ブランコの脇で頭を捻りながら、困った顔をしてちょこんと佇んでいた。
夏男は、恐る恐るその女の子に近づき、彼女の涙に濡れた瞳を見た。少女の透き通るような瞳が夏男を見る。細目でいつもガンを飛ばし続けて生きてきた夏男は、ただでさえ自分の大きな瞳を見つめられるとドキっとするのだが、少女の純粋無垢な瞳で見つめられるとどうしていいのかわからない胸が締めつけられる思いがした。
フレンチブルドッグは、側にいる夏男の存在に気づかない程、首を傾げながら生まれもったぶちゅーっとした顔を更にしわくちゃにしかめては悩んでいる。
夏男は、犬語でフレンチブルドックに訊く。「どうしたんだ?」
「うーむ」と、フレンチブルドックはしわくちゃの顔で悩みっぱなし。
夏男の声は届いていない。夏男は、「ワン!」とフレンチブルドックに向かって大声で吠えた。すると、吠えられたフレンチブルドックは慌てて、夏男の顔を見た。「なんだい?」
「なんだいじゃない。なんでこの女の子は泣いてるんだ。誰もいない公園のブランコの上で・・・・」
「それが・・・・」と言ってまたフレンチブルドックは難しい顔をして自分の世界に入り込もうとしたので、夏男は「顔をぐしゃぐしゃにしないで話しくれ」と注意した。
「この女の子、奈々ちゃんって言うんだけど、捨てられたおいらを拾ってくれたんだ。前の飼い主はおいらが小さい頃は可愛がってくれたんだけど、大きくなって、このぐしゃぐしゃの顔がよりリアルになってくると、醜くて可愛くないっておいらを源氏山の奥の方に捨てたんだ。おいらどうやって生きていけばいいのかわからなくて、鎌倉の色々なところを彷徨って、幼稚園に迷い込んだんだ。そして、奈々ちゃんがおいらを拾ってくれて、家に連れて帰ってくれたんだけど・・・・・」
「うちは、犬は飼えないから捨ててきなさい・・・みたいなことを奈々ちゃんは親から言われたって訳か?」
「その通り。でも、奈々ちゃんは優しくて、おいらのことを捨てられなくて、どうしていいのかわからなくて、おいらを連れたままプチ家出中なのさ」
「ふーん。世の中、命を平気で捨てる人間もいれば、捨てられた命を必死で守ろうとしてくれる人間もいるんだなぁ」と夏男が言うと、「おいらも感動したさぁー」とフレンチブルドックは感極まって、声がうわずった。
そんな二匹の犬がワンワン、ワンワンと会話をしているのを見て、なんだか楽しい気分になったのか、奈々ちゃんは泣きやんだ。
奈々ちゃんは小さく笑って、「柴犬さんも捨て犬なの?」と夏男に訊いてきた。
夏男は、とりあえずワンと答えた。
奈々ちゃんは、「三人で一緒に生きていきましょうね」とママゴトのお母さん役のような素振りで夏男を抱きしめた。やはり女の子ってませてるなぁーと夏男は思った。
「ねっ、ハッピー。3人で仲良く生きていこうね」と奈々ちゃんは、フレンチブルドックにも同じことを言って抱きしめた。夏男は、抱きしめられたフレンチブルドックに向かって、「ハッピー?」と訊く。
「奈々ちゃんがおいらのことをそう呼ぶんだよ。本当の名前は、元就。昔飼われてたのが、高慢ちきな歴史学者で、そんな名前を付けられたんだけど・・・・名前自体は嫌いじゃない・・・・。ハッピーはちょっと恥ずかしいぃ・・・し」
そう言って、元就は顔をぐしゃぐしゃにして恥ずかしがった。その顔を見て夏男は笑った。
「はははは、ハッピー。ぶさいくなお前にはちょっと可愛すぎる名前だな。その子が優しいんだな、お前みたいな野良犬にそんな温かい名前をつけてくれるなんて」
「まあね、奈々ちゃんは優しい子だよ」
奈々ちゃん・・・・幼くて純粋で優しい女の子。こんな子を事故にあわせてはいけないと夏男は思う。悪魔のせいで汚れに汚れて・・・・幼い少女すら危険に晒されて犯罪の餌食にされてしまう今の世の中。夏男は、元就に向かって問いかける。
「ところで、お前は野良になる覚悟はできているんだろうな?」
「前の飼い主に捨てられた時に、その覚悟はできてたよ」と元就はクールに答えた。
「なら、この心優しい奈々ちゃんを家まで送り届けてあげなきゃな。それがもらった思いやりへの恩返しだ。今頃、親は大慌てだろう。警察も動き出してるかもしれない。それに奈々ちゃんもそろそろパパとママに会いたくなる頃じゃないのかな。家は覚えてるんだろうな?」
「もちろん覚えてるけど・・・。一緒に来てくれるのかい?」
「夏男」
「えっ?」
「それが、俺の名前だ。さて、陽が暮れる前に野良犬達を愛してくれる天使の奈々ちゃんをお家に帰してあげようぜ」
夏男は、そんな優しい気持ちになっている自分に気づいてちょっとむず痒かった。なぜだか前足で頭を掻いている自分がいた。元就は、夏男の提案してくれたことに感謝するかのように笑みを零した。
夏男と元就は、アップダウンのきつい鎌倉の路地を登り下りしながら、疲れ果てて歩けなくなってしまう奈々ちゃんを尻尾を振って励まし、ほっぺを舐めたりして勇気づけて、なんとか無事に家の前まで送り届けた。
家からはママがやつれた顔で出てきて、奈々ちゃんを抱きしめた。それを夏男と元就は、物影から見届けた。二匹で胸を撫で下ろす。
やっぱり家族愛は何ものにもかえがたい。奈々ちゃんがママの愛に包まれている姿を二匹の野良犬は嬉しく思った。そして、野良の夏男と元就は来た道を戻りながら鎌倉山を目指した。
どんな巡り合わせだかわからないけど、夏男に野良仲間ができた。一人だと長い帰り道も二人だとあっという間だった。奈々ちゃんを無事に送り届けた達成感で胸がいっぱいになり、その膨らんだ気持ちが二人をしばらく無口にさせていた。そんな二匹で歩く帰路、元就がふと夏男の顔を一瞥して質問を投げかけた。それは、夏男がもっとも恐れていた言葉だった。
「夏男は、人間に似ているね・・・・・」
言葉は、夏男の背筋を凍りつかせる。夏男は、目に皺がより始めるのを感じた。犬歯が妙に乾きはじめる。でも、「どうして?」とは、元就は言わなかった。その代わりに元就は別のことを言った。
「おいら、まだ若造だし世間の仕組みとか常識とかに疎いからわからないんだ。この世の中にどんな犬がいたり、どんな生活があったりとかって全然わからない。だから、人間に似ている犬もいるんだなーって思っただけだから・・・・世間知らずって奴です、おいら。夏男は、泣いている奈々ちゃんを前に困っているおいらを助けてくれた友達だから、別にどんな種類の犬とかでもどーでもよくて、どーでもいいわけです・・・・友達だから」
恐れていた言葉・・・・を、怖くないと思う瞬間に、生命はどれ程感極まるか。
友達なんて言葉を自分の耳の鼓膜で聞くことはないと思っていた。でも・・・・聞いてしまった夏男は、怖くないのに身震いをした。
恐怖とは違う震えが心に走って、それが神経に伝染した。夏男は、元就の言葉に何も言葉を返せなかった。その後、二人は特に言葉を交わさずに淡々と鎌倉山の墓地へと引き返していった。夏の青空が、犬の影を二匹分、アスファルトの上に描き出していた。どちらの歩調も、全く同じ・・・・。夏の太陽が、そんな二匹の足取りを少しだけ陽気に笑っているように夏男には思えた。
夜、井伊が夏季講習の帰りに、食パンと牛乳を持ってきてくれた。夏男と元就は墓地の真ん中にある桜の木の下でお喋りをしていた。
「野良がもう一匹増えてる・・・・」と井伊は唖然としながら、苦笑いをした。
なんだか仲良さげな雰囲気が二人の間に漂っているのを見て、井伊は面倒見る犬が二匹に増えても、笑わざるおえなかった。井伊は、食パンと牛乳を二匹に等分して与えた。
夏男も元就も歩き疲れて腹が減っていたので、喜んで食べた。その二匹が夜ご飯をむさぼり食べる姿を見て井伊は、「それにしてもお前達、二匹とも本当にぶちゃいくだなぁー。この際、コンビを組んで『ぶちゃいくブラザーズ』って名前にすれば」と微笑みながら言った。




