表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シスコン姉妹の異世界生活  作者: キリコ
20/40

魔力結晶




 ベッドの上で長々と話し込んでいた事にハッとする。


「起き抜けに話し込んでごめんね。顔洗って朝ご飯にしよ。」

「はあい。」


 それぞれ身支度をし、静かに朝ご飯をすませる。食後にお茶を飲みながら一息つくと、これからの予定を話す事にした。


「これからの予定なんだけど、早めに街を探そうと思う。」

「そうだね、うん。私も浄化の旅にも早く出たいし、お姉ちゃん、私何か準備する物とかある?」

「いや、一先ずは要らないかな?遠目から観察して一旦戻ってきて準備して、ってなるだろうから。今はまだ何が必要か分からないしね。だからまず、人、と言うか知的生命体の居住地を見つける事からだね。見つけたら存在ごと魔力を完全に隠蔽しながら遠目から観察かな。取り敢えず食べ物には困らないからそれは当分心配要らないとして、貨幣、服装、入国管理の有無とか住民の種族とか知りたいかな。」

「そっか。あまり違和感持たれすぎるとトラブルを招きそうだもんね。」

「うん。とは言ってもある程度は外国から来ました〜で誤魔化そうとは思うけど、人間種が激レアとか人間種は須らく奴隷とか、初見殺し的な設定だったら詰むし。」


 そう、少数派ではあるが、そう言った最初から詰むラノベも無いわけではない。恐ろしい事に。まぁそう言った物語はそこから成り上がるのが醍醐味ではあるのだけれど、妹が居るのだからそんな過剰にストレス与えそうなフラグはへし折っていかなければ。妹はもう地球で十分すぎるほど不幸は享受した。これから先、妹には幸せしか要らない。それにこの世界にとってもその方が良い風に作用するはずだ。妹の魂が濁ればどうなるか分かったものでは無い。まぁ、地球であれだけ色々あって病んではいないと思うから、そこまで神経質にならなくても大丈夫なのかも知れないけれど。言ってしまえば私自身が妹に辛い目にあって欲しくないだけである。


「魔物が存在するから、地球みたいにポツポツ家があったりはしないと思うんだよね。おそらく城壁のような物か結界で囲まれてる可能性が高いと思う。いや、むしろ空を飛ぶ魔物もいる可能性を考慮するなら城壁だけじゃ守れないだろうから結界一択か。まさか迎撃システムが充実してるとかは無いだろうし。そんな事が可能ならこの森も踏み荒らされているはず。」

「なるほど。確かに。いつ魔物が来るか分からない所で赤ちゃん育てられないもんね。逆にもしもポツンと家があったら、よっぽどの強者が住んでるって事?」

「そうだろうね。まぁそれは置いといて、きっとコロニー同士の行き来があるだろうし、門の様な箇所があればそこで思いっきり隠蔽かけて一先ず観察。ある程度分かったら入国?を試す感じでどうかな。」

「お金は?」

「もし入国にお金がかかる様なら、入国審査待ちの商隊とか探して何か売ろう。護衛付きなら移動してそうだし。森の端で薬草とか摘んどくか。この辺りのはレアかも知れないし最初はやめておいた方が無難でしょう。まぁアイテムボックスがあるから荷物にはならないし幾らかは所持しとくに越したことは無いけど。」

「私のポーションは?売れない?」

「ああ、鑑定させて貰おうと思ってたんだった。見せてくれる?」


 お願いすると、私があげた大きめの瓶にたっぷり入った液体を取り出してくれた。どちらにしろこのまま売るのは難しいだろうけれど、先に鑑定する。



 ポーション(⭐︎⭐︎⭐︎)

 HPを50000回復


「え?みーちゃん、ナニコレ。ヤバ、あ、もしかして」


 アイテムボックスから、小さな瓶を消毒し取り出す。


「これに、いつもの魔力操作で20mlだけ移せる?」

「?いいけど。」


 妹が蓋を開けると一口分程の液体がスルスルと小さな瓶に入っていった。そこでサッと両方に蓋をし、小さな瓶へ移動した液体を鑑定する。


 ポーション

 HPを500回復


「やっぱりね!これ作る時、水量2リットルでイメージしたでしょ。」

「えっ、うん。あ、なるほど。売る時は小瓶に移さないとかぁ。」

「沢山回復したいならがぶ飲みしないととかやだね・・・。ああ、でも満タンじゃ無いなら即吸収されるみたいだから大丈夫か。」

「何で分かるの?」


 昨日、妹が倒れた際の処置について説明した。


「そうだったんだ・・・。あの時そんな事になってたなんて、お姉ちゃんありがとう。」

「ん。それで、魔力水多めに作っとこうかなと思うんだよね。逆にお姉ちゃんもあんな風になったりした時の為にみーちゃんにも持ってて欲しいし。」

「分かった。むしろ回復スピード考えたら、もっと濃いめに作った方が良さそうだね。お姉ちゃんの総魔力量的に。」

「そうだね。門外不出になってしまいそうだけど。あ、意識がある状態なら魔石に貯めた魔力を吸い出したり出来ないかな?」

「なるほど!多分出来ると思う。それならお姉ちゃん、ここを出発する前に隠蔽膜を維持出来るように魔石か魔力結晶作れるようになっといたほうがいいんじゃない?魔力が全回復したら隠蔽膜保てないんだよね?破れそうになる前に結晶にする事に少し慣れてた方がいいかもね。」

「そうでした。練習するか・・・。石に魔力込めるの苦手なんだよな・・・。」

「その間に、私が調合で自分達用の魔力水量産しとくよ。」

「はぁーーーーーー、分かった。」



 と、言う事でそれぞれ調合室へ入る。


「今日は行かないんだよね?」


 前回妹に渡していた瓶を妹の作業台へ並べていると、向かいで薬草を並べていた妹が聞いてくる。


「魔力結晶?でしょ?今日一日で出来たら御の字くらいだし、今日出るのは無理でしょ。みーちゃんに魔力風呂と言わしめたあの惨状を忘れたとでも?」

「アッ、そうでした。まあでもこの間の見てて思ったんだけど、お姉ちゃんさ、感覚での操作の方が才能ありそうだし、石に魔力込めるより結晶の方がすぐ出来そうな気がしてるんだよね。石の方がやりやすそうって言ったのはあくまでも私の感覚だし、なんか私達魔力の扱い方多分全然違うみたいだから。現にお姉ちゃんの身体強化おかしいし。」

「えっ。そうなの?おかしいって何が?」


 瓶を多めに並べ終わり、自分の作業台へ移動しようとした所で妹が気になる事を言い出し足を止める。


「強化する時の魔力濃度の変化?なんて言えば良いのか分かんないけど、重点的に強化したいんだろうなって箇所の魔力濃度もおかしいし変化スピードもおかしい、痛めると危険そうな関節とかにも微調節してるし、更にその使用魔力に無駄が一切なさそうだから計算してやってたら頭おかしくなりそうだし相当知識いりそうな事を一瞬でやってる感じが、私から見たお姉ちゃんの身体強化。分かる?」

「え、えええ、そんな御大層な事やって無いんだけど。なんでそんな怖い事言うの。え?まって。身体強化かけるのいつも一瞬でやってると思うんだけど、逆にその一瞬でそんな事読み取ってんの?みーちゃんの方こそ怖いんだけど。脳味噌どうなってんの?」

「え、そこは考えても見なかった。でも普通の生活でも色々考えながら生きてるでしょ?その感覚と同じなんだけど・・・。」

「私!脳筋じゃない!のに!みーちゃんのせいで浮き彫りになってんじゃん!」

「ええええ、脳筋とか一言も言ってないのに。お姉ちゃん気にしすぎだよ。普段からちゃんと考えて生きてるじゃん。こっち来てからもお姉ちゃんの知識と推測で色々判明したりしてるのに。」

「いや、それはみーちゃんに危険が及ぶ可能性を考えれば当然の事だよ。あと極度の面倒くさがりだから二度手間とかを避けたいだけで、」

「うーん、そう言う事考える人は合理的とは言われても脳筋とは言われなくない?魔力の使い方にしても感覚派って言っただけだし。」

「感覚派とか良い風に言ってるけど脳筋って事じゃね・・・?」

「ハイ、ストップ、もう。脳筋or not脳筋論争はしませんよ。・・・ちょっとアドバイスしようと思っただけなのに、全く。さ、お互い取り掛かろうね。」


 言うなり妹は作業に集中し始めてしまった。


「ちぇ。もっと私の中から湧き上がってくる、私って脳筋では?っていうこの嫌な疑いを打ち砕いて論派してくれる人いないかなー。」


 チラと妹を見るも完全に無視である。仕方ない。かまってちゃんはウザがられるので、経験済みの身としては切り替える事にする。


 自分の作業台で席に着くと、椅子を斜めに大きく引き出し足を開いて浅く腰掛けた。ゴミ箱を高くしたような形の結界を作り出し床に置くと、足で軽く挟んだ。手元の下にこれがあれば、ある程度は部屋中に広がるのは防げるだろう。溜まってきたら妹の魔力水に使ってもらう算段である。


 魔力循環はやめているので、魔力を出そうと思っている掌から以外はそう出ないはずだ。常に漏れて体表を覆っているモヤについては考えない事とする。魔力は湧き出し続けているから、自身の総魔力の器から溢れる分は何もしていなくとも常に溢れているのだと思う。少しずつだけれど。


(さて、みーちゃんは魔力結晶の方が作りやすいかもって言ってたね。なら一先ずやるだけやってみるか。私の総魔力から考えると、あんまり使用魔力が少ないと何個も作らないといけなくなるから、最低でも10万くらいのが作りたいところ。)


 結界箱の上で左の掌の上に、濃度を最大限に濃くしたドロドロした魔力を500円玉程のサイズで掌に出す。それでも固形寄りの液体といった感じだ。感触的には片栗粉に水を少し混ぜた感じだろうか。何もしなければ液体になってしまうが、魔力を少し流すと段々と固まってきた。左手の掌を少し窪ませそこで右手の人差し指でそっと捏ねていたが、段々と弾力が出てきたので両手を合わせ挟み更に捏ねる。魔力を流しながらのせいか、少しずつ大きくなってきている。そろそろ捏ねられない程固くなってきた。そのまま両掌で転がしながら魔力を流し続けていると、小さく、キン、と音が鳴り指の隙間から淡く光が放たれた。


(完成・・・か?)


 原因の石?を目視すると、直径3センチ程の極めて透明度の高い石になっていた。透明と言うことは成功なのではなかろうか。まぁ、何はともあれとにかく鑑定である。


 魔力結晶(⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎)

 魔力の密度が高まり結晶化した物

 少し甘い

 含有魔力 100000


(おっと。またもや世に出せない品に。まぁ使うの自分達だから良いけど。甘いって事は食べられるの?まぁ魔力で出来てるからそりゃそう?そう言う物なの?常識が分かんないから判断つかないね!)


 使用魔力は如何程だったのだろうか。漏れ出る魔力を受け止めるはずの結界箱には魔力は溜まっていない。



Lv.11

HP 4620/4620

MP 1190483/1290500


 どうやらきっちり100000しか魔力は使用していない様だ。端数は作業前に別のことで洗浄魔法や念動力を使った分であろう。キッチリ100000なのが驚きだが、最初に含有魔力100000くらいの物が作りたいとチラと考えたせいだろうか。予想以上の出来と思った通りに都合よく出来た事からして、妹の言う通り相性が良かったようだ。更に付け加えるならば、なんと魔石の時の様な疲労は全く無いのだから不思議だ。


 そう言うことであれば、最初に含有魔力量を意識すれば調節出来そうだ。魔力量の大きいものと小さい物を幾つか作ってみる事にした。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ