8.席
かんなと他愛のない会話をしながら登校しているうちに、〆縄高校へ到着した。
(ついにか。)
俺たちは校門をくぐり抜け、そのままクラスへ向かう。因みに、俺とかんなが同じ2組で、春樹だけ3組である。春樹、達者でな。かんながちょっとトイレと言って俺から離れていった。さて。
(俺は恐らく…。ヒロインと同じクラスだ。)
俺は、クラス発表を見ている時に条件に合う女子を既に、見つけていた。
2組 15番 桜凪雪実
恐らく彼女が乙女ゲームのヒロインだろう。四つの
漢字で春夏秋冬に関係した名前だ。この子で間違いないだろう。俺は教室に着くと、自分の席を探す。どうやら席は主席番号順で決まっているようだ。俺は、黒板に張り出された席順を確認しようと、黒板へ向かった。張り出された席順を確認して、固まった。
(え?待って。俺、ヒロインの隣の席なんですけど!?)
そう、このクラスは30人。席の配置は縦5×横6。ヒロインの出席番号は15番、そして、みなとの出席番号は10番。つまり隣同士の席になる訳だ。
(なんだとぉーーー!!!!!)
俺は心の中で盛大に叫んだ。