6.中学校を卒業しました。
春樹と友達になってから、12年後。俺たちは中学校で、卒業式を行っていた。………え?成長しすぎじゃないかって?何を言ってるんだ?
「ふぃ〜。中学も卒業か〜。」
「ひっぐ。……ぐすん、ひっぐ。」
「いつまで泣いてんだよ、かんな。」
「だっでぇ〜……。ひっぐ。」
「ハハッ。相変わらずかんなちゃんは泣き虫だなぁ!」
「わ、笑わないでよ!春樹くん!……ぐすん。」
「ハハッ。ごめんごめん。」
俺とかんなと春樹は何やかんやで小中と同じ学校だ。そして、高校も同じだ。まぁ、春樹は合格ラインギリギリだったみたいだが…。まぁ、国語は学年TOPの96点だったみたいだが。それ以外は40点台らしい。
(ついに、乙女ゲームの舞台。〆縄高校へ行くのか。)
横目に、春樹を見る。
(こいつも攻略対象なんだよな。モブの俺と仲良くなってるが、大丈夫かな?)
今更ながら、そんな事を考える。まぁ、ヒロインとの恋の邪魔にはならんだろう。ってか、かんなは春樹の事好きっぽいんだよな〜。中学生になって原作通りのイケメンになったから仕方ないっちゃ仕方ないけど。惚れるなって方が難しい説まであるぞ。これからヒロインと出逢う事を知ってるこっちの身からしてみれば複雑なんだよな。前に、かんなに好きな人がいるか興味本位で聞いてみたが、顔を真っ赤にして「みなともよく知ってる人…。」と、言った。いや、もう答えやんと思ったが、気づかないフリをしてやっている。影で二人の関係をサポートしているが。
(波乱の高校生活になりそうだな。)
俺は呑気にそんな事を考えるのだった。
成長しすぎ?何言ってるの?