34.家族への想
「……足がぁ。」
あのあと、家に帰るとかんなが仁王立ちで玄関で待ち構えていた。そりゃもう恐ろしい表情で。そこからは、ご飯を食べて、そこから説教コース。俺は一時間正座させられている。
(はぁ、何か正座しすぎてもはや慣れてきたな…。)
過去にも何度もかんなに叱られ正座させられている事が、多々あった。まぁ、その原因は俺にあるから文句は言えんのだが…。けど、大抵かんなが怒る理由は俺を心配しての事だからどちらかと言うと嬉しさの方が勝る。
(正座といえば…、よく花恋にもさせられたっけ。)
そう考えると、花恋とかんなって似た者同士なのかもな。……未だに花恋の事を考えると胸が痛くなる。大切な家族をおいて、自分は新しい人生を楽しんでいるという事に罪悪感を拭いきれない。そして何より、家族に会いたい…。もちろん今世の家族も愛しているが、前世の家族も同じくらい愛している。
「………花恋。」
-お兄ちゃん!
ふと脳裏に最愛の妹が笑ってそう自分を呼ぶ姿が思い浮かんだ。その瞬間、俺の頬に雫が伝う。
「……会いたいな。」
しかしそれは叶わない、そんな事は分かっている。家族との思い出を心にしまって過去に縛られず今世の人生に全うし、モブとして桜凪たちの恋愛行方を見守ること。それが、今の俺のやるべき事。だけどやはり切っても切れない思いがある。
(……簡単に割り切れたら苦労はしないよな。)
「……お兄ちゃんは頑張るからな。」
俺はそう呟き、静かに目を伏せた。
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ピクっ。
私はパソコンを打ち込む手を止めて、背後を振り返る。
「………誰?」
今一瞬、誰かの声が聞こえた気がした。
「……気のせいか。」
そう言い、私は前に向き直りパソコンを再度打ち込み始める。そうして、あるサイトを見つけ再度手が止まった。
「……PSD協会、これなら。」
私はそのサイトをクリックし、サイト主にメッセを送る。これで、後戻りは出来ない。
「あはは。」
ーピシャ
そう笑うと同時に雷が落ちる。雷の明るさで照らされた彼女の瞳には、照らされたにも関わらず光の一切も存在してはいなかった。
何だか、ごちゃごちゃしてきましたね。
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