28.櫛田秋良〜秋良side〜
第一章 第二幕 秋良編 始
僕は、櫛田秋良。実は僕は、日本三大グループの一つである、「櫛田家」の次男だ。だけど、僕のことは学校の皆には内緒にしている。騒ぎになったりでもしたら、僕の肩身が狭くなると思ったからだ。僕は家系が家系なだけに、社交界に参加したり、食事・礼儀のマナー等を幼い頃から叩き込まれた。だから、昔から外で無邪気に友人や親子で遊んでいる子供を見ると、羨ましく思っていた。そして、高校生になった今。両親には、有名人やお金持ちグループの子息、令嬢が通う学校へ通えと言われたが、僕はそんな両親を説得して、この〆縄高校に入学する事になった。
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「ここならきっと…、僕の探している物が見つかるはずだ…。」
入学式に向かう途中の通学路。桜風に当たりながら、僕の気持ちはふつふつと高揚していた。
「ま、待って!秋良様〜!」
そんな事を考えていると、背後から大声で名前を呼ばれた。その声の主は、僕の従者として共に入学した真壁啓斗だ。詳しい所は本当の従者ではないのだけど…。
「ごめんね啓斗。少しはしゃぎすぎちゃって。」
「はぁ、はぁ。いや、大丈夫…です!」
僕に謝られて気持ちがシャンとしたのか、背筋がビシッと伸びる啓斗。
(ふふっ。本当に一緒に居て飽きないな。)
「それと啓斗。学校では身分を隠すんだから、秋良“様”はやめてね。呼び捨てで読んでいいから。」
僕はニコッと微笑みながら言った。
「え、だけど…。」
「いいから。」
「いやでも…、秋良様…。」
「あ・き・ら」
「う……、あ、秋良……さん。」
「あ・き・ら」
「いや本当にこれ以上は無理っす!勘弁して下さい!!」
彼はいきよいよく両手を合わせて両手を頭の前に出しながら、90度の角度でピシッと僕に頭を下げる。
「フフッ……、まぁいいよ……フフッ…それで。」
(いや、フフッ…そんなに勢いよく下げなくても…フフッ。)
彼は、昔から僕と一緒に遊んだりしている、いわば幼馴染と呼べる存在だ。しかし、彼は一般人だ。今回は両親に無理を言って、僕の従者という立場で一緒に同じ高校に通わせて貰っている。
「じゃあ、行こうか。」
「はい……。秋良さん。」
(何かグッとくるね。新鮮でいいね。)
「秋良様〜!」
そんな感じで啓斗と会話していると、またもや背後から大声で名前を呼ばれた。
「一緒に登校しても構いませんか?」
「ああ、構わないよ。それと、啓斗にも言ったけど、お互い身分を隠してるんだから、様はやめよう。」
「分かりました。秋良さん。」
「呼び捨てでいいよ?」
「ッ……、いえそれは…。少し恥ずかしいです…。」
「そっか。」
僕は赤面している彼女を見て、笑みを零す。彼女の名前は、一之瀬恵。僕の婚約者だ。彼女は一之瀬グループの令嬢だ。櫛田家程ではないが、世間に大きな影響力を持っている。
それから、僕らは会話をしながら学校へ向かった。
(……僕の探している物が、見つかるといいな。)
…そんな想いを心に秘めながら。
サラッと新キャラを出していくスタイル。




