2.どうやら本当に転生したようです。
本日3本目!
俺が産まれてから、三年が経過した。俺はただ今三歳の幼児だ。あれから、さまざまな情報を集めた。まず、俺の両親の名前は父親が桐賀直人、母親が桐賀美奈子という名前らしい。そして、俺の名前が、運命の悪戯か前世と同じ、桐賀溱だ。そして、この世界は異世界なのだろうが、モンスターや魔法、身分制度は無いようだ。基本的には前世の日本と同じで、教育レベルも妥当。文明が発達しているとか、衰退しているということも特に感じられない。そして、言語も日本語。だが、ここが日本であるかどうかはまだ謎だ。恐らくは日本だろうが、決めつけはしない。
「みなとくん!」
そんな事を考えていると後ろから、幼い可愛らしい声が聞こえてきた。
「どうしたの?かんなちゃん?」
俺に声をかけてきたのは、同じ保育園に通う女の子の椎名かんなちゃんだ。この子はこの世界で初めてできた、俺の友達である。
「今日ね!新しい子が来るんだって!」
「新しい子?保育園に新しい子が来るって事?」
「うん!さくらせんせいが言ってた!」
新しい子か、どんな子なのだろうか?
「はーい、みんな!今日から新しいお友達が増えるよ〜!」
先の話に出てきた桜先生が皆に声をかける。「入ってきて。」と先生が声をかけると、一人の男の子が入ってきた。おぉ、男の子か。
「篠原春樹くんで〜す!皆、仲良くしてあげてね!」
みんなが「はーい!」と返事をする。そこで、俺は一つの引っ掛かりを覚えた。
(何だ?何かが引っかかる…。)
「よろしくおねがいします!」
と、ぺこりと頭を下げた春樹くん。その瞬間、チラッと見えた桜の髪飾りを見て、俺は息を呑んだ。
(あれは……!)
そう、あれは前世の乙女ゲームの公式グッズのひとつだ。妹が使用用、観賞用、保存用、予備用とか言って四つくらい買っていたから覚えていた。最初はこの世界にも、あの乙女ゲームがあるのかと思ったが、彼の名前を思い出し、ある一つの可能性に至った。
(まさか……!この世界は!)
そう、彼の名前には“春”の漢字が入っているのだ。
( 厂˙ω˙ )厂うぇーい